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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2007'04.17.Tue

理化学研究所、ゲノムデータベースの検索ソフトを無償公開

ゲノムデータベースの検索ソフトを無償公開
- ゲノム地図の可視化と検索プログラムが誰でも自由に利用可能に -

◇ポイント◇
・病気の罹りやすさや薬の効き目に影響する遺伝因子の探索研究を加速させるツール
・信頼するデータサーバ間でデータを分散共有でき、増大化するデータ量にも対応


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)はゲノムデータベースの検索ソフト「オミックブラウズ」を開発し、11月1日から普及版の無償公開(オープンソースでは代表的なライセンス形態である「GNU GPLライセンス」での提供)を開始します。これは、理研横浜研究所ゲノム科学総合研究センター(榊佳之センター長)生命システムデータベースチームの豊田哲郎チームリーダーらの研究グループによる成果です。
 オミックブラウズは、ゲノム上に存在する遺伝子(病気の罹りやすさや薬の効き目に影響する遺伝因子)などの様々な情報(アノテーション情報)に関する多数のデータベース群を同時に検索して可視化するソフトで、データサーバとビューアから構成されます。従来のソフトはゲノム上のアノテーションを単純に表示するものが中心で、データ量が多い場合は表示に限界がありました。今回開発したオミックブラウズはこうした表示範囲に制限がなく、データ量が多い場合は瞬時に統計的な指標を計算して表示します。さらにそこからキーワードで重要な遺伝子を絞り込むことができるため、病気の原因遺伝子を探索する研究を加速させます。また、一般的に、ゲノム科学の統合データベースでは、少なくとも数百~千種類のデータベースを包含する大規模なものになるため、オミックブラウズは従来ソフトよりもデータ統合化機能が強化されています。従来ソフトにおける統合方式(DAS1)では、データベースごとにそれぞれアクセスが発生していましたが、オミックブラウズではそれらのデータベースをまとめて1回のアクセスで済ませるため、データベース数の増加によるネットワーク負荷が軽減されています。
 オミックブラウズは、これまで、ゲノム研究の分野で使われてきた実績があり、ヒト、マウス、ナズナ、線虫などのデータコンテンツや、使い方マニュアル、設定ツールも理研のウェブサイトから提供されます(http://omicspace.riken.jp/)。
 本研究成果は、英国の科学雑誌『バイオインフォマティクス』のオンライン版(10月31日付け:日本時間11月1日)に掲載されます。

1.背 景
 近年、様々な生物種においてゲノムの塩基配列が解読されました。この配列が解読される以前までは、ゲノム中に存在する遺伝子の形や位置をはっきりと数字で表現することはできませんでした。ところが、ゲノム塩基配列が解読された結果、その配列の先頭から何番目の塩基の場所かという「番地」の形式で、遺伝子の存在位置を正確に表現できるようになりました。その結果、ゲノム塩基配列は精密な地図の役割を果たすようになり、ゲノム地図での位置に基づいて記録された様々な生物学情報は、「アノテーション」と呼ばれています。最近では、多くの人が自分の研究の成果をアノテーションとして記録するようになったため、アノテーションのデータベースがいくつも作られるようになりました。このような状況下で、研究者は自分の研究データを、既存の多数のアノテーションデータベースに照らし合わせて、統合的に解析をしないと研究が進まない状況に置かれています。

2.成 果
 オミックブラウズは、ゲノム上に存在する遺伝子(病気の罹りやすさや薬の効き目に影響する遺伝因子)などの様々な情報(アノテーション情報)に関する多数のデータベース群を同時に検索して可視化するソフトで、データサーバとビューアから構成されています。データサーバは膨大なデータを統合する機能を持ち、ビューアは表示範囲に限界がない機能を持っています。
 従来のソフトは、ゲノム上のアノテーションを単純に表示するものがほとんどで、データ量が多い場合は表示に限界がありました。これに対し、オミックブラウズでは表示範囲に制限がなく、データ量が多い場合は瞬時に統計的な指標を計算して表示します。さらにそこからキーワードで重要な遺伝子を絞り込むことができるため、病気の原因遺伝子を探索する研究を加速させます。
 また、一般的に、ゲノム科学の統合データベースでは、少なくとも数百~千種類のデータベースを包含する大規模なものになりがちなため、オミックブラウズは従来ソフトよりもデータの統合化機能が強化されています。従来ソフトにおける統合方式(DAS1)では、個々のデータベースごとにそれぞれアクセスが発生していましたが、オミックブラウズではそれらのデータベースをまとめて1回のアクセスで済ませるため、データベース数の増加によるネットワーク負荷が大幅に軽減されています。この機能により、利用者は自分の研究データを、理研が提供するアノテーション情報に照らし合わせて解析することができます。その際、利用者の内部研究データが外部に漏洩しにくいようにも配慮されています。
 さらに、利用者側のデータサーバの拡張性も優れており、複数のデータサーバを次々と連携させていくことが容易なため、内部データ量の増加に対応できます。このため、大学や製薬企業などの内部で所有する膨大な研究データを複数のデータサーバに分散配置させることができ、その情報を公開ゲノム情報と統合化して内部で活用していく場合には非常に有用なツールとなります。
 オミックブラウズのビューアは、Macromedia社のFLASH技術を使って作成されており、通常のウェブブラウザ上でも極めて快適に操作できるようになっています。従来ソフトではアノテーションを画像イメージで表示していたため、表示データが多いときは画像が画面からはみ出してしまい、利用者が全体像を一目で俯瞰できないことがありました。これに対し、オミックブラウズではアノテーションをベクトルイメージで表示しているため、高画質のまま拡大縮小を滑らかに行うことができ、全体像の俯瞰から、注目する局所部分の拡大まで、連続的に画面移動できるようになっています。
 オミックブラウズは、これまで、理研の内外でゲノム研究に使われてきた実績あるソフトで、これまでの試用版よりも、より詳細な情報が閲覧できるように改良したプログラムを普及版として11月1日から公開します(GNU GPLのライセンスに基づく全ソースプログラムの公開)。このオミックブラウズは、理研のウェブサイトでも運営されており、ヒト、マウス、ナズナ、線虫などのデータコンテンツや、使い方マニュアル、設定ツールもアップデートされたものがこのサイトで提供されます(http://omicspace.riken.jp/)。

図1 オミックブラウズの画面イメージ
(*添付資料参照)



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