カルピス、飼料添加物「カルスポリン」を11月中旬にEUで販売開始
カルピス社の飼料添加物「カルスポリン」を11月中旬にEU(欧州連合)で販売開始
9月29日にEUでの「カルスポリン」販売許可を取得し、11月上旬に、EUの飼料添加物製造に関する品質安全管理システムである『FAMI-QS』認証を取得予定
カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:石渡 總平)は、9月29日(金)にEU食品安全局から、当社で製造・販売している飼料添加物「カルスポリン」(畜産用プロバイオティクス)の販売許可を取得しました。EUの販売許可は、効果や品質の他に特に抗生物質の耐性に関する遺伝子レベルの安全性を問う、世界で一番厳しいレベルのものです。
また、当社の相模工場が、「カルスポリン」の製造に関して、世界最新の飼料添加物製造に関する品質管理システムであるFAMI-QS[ファミキューエス](European Feed Additives and Premixtures Quality System)認証も11月上旬に取得予定です。
これらによりEUでの「カルスポリン」販売が可能となり11月中旬よりEU各国で販売を開始します。同時にEUへの鶏肉輸出国であるブラジルやタイなど中南米・アジア地域での販売を強化していきます。
「カルスポリン」は、今年3月に世界最大の食肉加工メーカーである米国のタイソン・フーズ社のブロイラー(鶏)飼育用に『成長促進目的としての抗生物質』の代替品として全面採用されたことにより、販売量が大幅に増大しています。安定した供給を図るため、相模工場での生産に加えて、3月に、群馬工場に「カルスポリン」の製造設備を新設し、年間生産量を4.5倍にしました。
06年上期の飼料事業の売上は約7億円(前年比258%)で、通期では16億円(前年比260%)を目標にしています。
当社の飼料事業は、長年培った『微生物活用技術』を応用したもので、家畜の腸内フローラの改善を通じて安全でおいしい畜産物の生産を可能にする畜産用生菌剤(プロバイオティクス)の販売を1987年より開始し、飼料添加物「カルスポリン」や乳酸菌混合飼料「ファインラクト」などのマーケティングを国内外で展開しています。
EUでは06年1月から『成長促進目的としての抗生物質』(以下AGP)が全面使用禁止となっています。これにより、EUだけでなくEUへの食肉輸出国であるタイなどのアジア地域やブラジルなどの中南米地域にも同様の規制(AGP全面使用禁止)が反映されるようになっています。
AGPの代替品としては、生菌剤(プロバイオティクス)、有機酸、酵素、ハーブなどがありますが、なかでも『生菌剤』は、家畜の腸内フローラを改善することで健康な家畜を育成し生産性・安全性を向上させることから大きな注目を集めています。
当社はEU食品安全局に「カルスポリン」の販売許可申請をしていましたが、9月29日に認可がおりました。また製造工場の相模工場に対してもFAMI-QS [ファミキューエス]も11月上旬に認証予定です。FAMI-QSは、飼料添加物製造の品質安全管理システムに関する認証のことで、EUで飼料添加物を販売するうえで必須となるものです。FAMI-QSの認証を受け、11月中旬よりEU域内で販売を開始することで、「カルスポリン」の需要がさらに拡大します。
EUでは、鶏肉用途に「カルスポリン」を販売する予定であり、鶏肉生産が盛んなスペイン、イギリス、フランス、イタリア、ドイツなどを中心に現地代理店のオルファ社(オランダ)を通じて販売していきます。
EU以外の地域では、北米においてタイソン・フーズ社以外の大手企業やEU向けの鶏肉輸出No.1であるブラジルのブロイラー企業での採用獲得を目指し、「カルスポリン」の取り扱いを拡大していきます。
当社は、2010年までに『生菌剤』での世界シェア1/3(約30億円)を目指し、北米、EU、中南米、アジア地域において積極的に展開していきます。
※カルピス社の技術領域など詳細は添付資料参照