NECエレクトロニクスなど、「ZigBee」対応のネットワークを構築できる開発キットを提供
無線通信規格「ZigBee」に対応したネットワークを容易に構築できるソフトウェア開発キットの提供について
~ピア・ツー・ピア・メッシュ・ネットワークの実現を容易に~
NECエレクトロニクス株式会社(以下NECエレクトロニクス)と、無線ネットワークソフトウェア開発における先進企業である株式会社 スカイリー・ネットワークス(以下スカイリー)は、無線通信用半導体の有力企業であるUniband Electronic Corporation(以下UBEC)の協力を得て、センサーやセキュリティ端末などを低消費電力で接続できる無線ネットワーク規格「ZigBee」(ジグビー)で規定された、サーバを介さずに端末同士が直接通信を行う「ピア・ツー・ピア・メッシュ・ネットワーク」を構築するためのソフトウェア開発キット「ZigBee SDK」を開発いたしました。
また、スカイリーは、今年度第4四半期より、「ZigBee SDK」を販売することにいたしました。
「Zigbee SDK」は、(1)ZigBeeに関する通信手順(プロトコル)を制御するソフトウェア「ZigBeeスタックライブラリ」と、(2)「ZigBeeスタックライブラリ」を利用してネットワークを構築するソフトウェア開発ツール4種類、から構成されております。この「ZigBee SDK」は、パソコン上で稼動するものであり、UBECの無線通信チップ「UZ2400」と、NECエレクトロニクスのフラッシュメモリ搭載型マイコン(以下オールフラッシュ・マイコン)「78K0R」、「78K0」あるいは「V850ES」とのチップセットを採用したZigBee端末上にソフトウェア開発環境を実現するものであります。
「ZigBee SDK」の特長は、プログラミング言語(C言語)でソフトウェアを記述する必要が無く、パソコン画面上のグラフィカル・ユーザー・インタフェースを操作するだけでZigBeeネットワークを容易に開発できることであります。
本開発キットを用いると、最終製品(セット)メーカーや通信モジュール開発者は、今後市場の急速な拡大が見込まれ、ビル管理、屋内外のセンサーのデータ収集、プラント制御などを低消費電力で柔軟に接続できるピア・ツウ・ピア・メッシュ型のZigBeeネットワークを容易に構築できるようになります。
今回の開発は、NECエレクトロニクスからは約200機種の品揃えで様々な応用分野に適合でき、制御プログラムを効率的に開発できるオールフラッシュ・マイコン、スカイリーからはピア・ツウ・ピア・メッシュ・ネットワーク構築の豊富な経験とノウハウ、UBECからはエラーの発生率が低い高信頼な無線通信用半導体技術、という三社がそれぞれの得意分野を持ち寄ることで実現されました。
「ZigBee SDK」の販売価格は12万円であります。NECエレクトロニクスとスカイリーでは、「Zigbee SDK」において、2010年までに約1,000ライセンスの販売を見込んでおります。
なお、「ZigBee SDK」は、同規格に関する標準化団体「ZigBeeアライアンス」が今年度第4四半期に公開する最新の仕様「Enhanced ZigBee Standard」に対応する計画であります。
また、NECエレクトロニクスは、「ZigBee SDK」と、それによって開発されたネットワークを評価する環境として、「78K0R」、「78K0」、「V850ES」のうち一つと「UZ2400」から構成されるチップセットを搭載した開発プラットフォーム(評価ボード)を、販売店を介して、順次提供することにいたしました(参考価格1万5千円から)。
ZigBeeは、無線LANやブルートゥースなどと同じ2.4ギガヘルツ(GHz)帯の周波数帯を使う無線通信規格のことであります。半径数十メートルの範囲で最大伝送速度が毎秒250キロビットの無線通信を実現し、同じ2.4GHzを使う無線LANやブルートゥースよりも通信速度は遅いものの、乾電池で利用できるほど消費電力が非常に少ないという特長を有しております。このため、家電機器の制御、屋外向けの監視装置、ビル管理、玩具などの広い分野への応用が期待されております。
近年、端末を介して次の端末へとリレー式に情報を伝達し、複数の端末同士がサーバを介さず網状に通信をし合う「ピア・ツー・ピア・メッシュ・ネットワーク」は、その柔軟性と多様さから、様々な用途への展開が期待されております。
この「ピア・ツー・ピア・メッシュ・ネットワーク」の構築には、低消費電力で通信ができるZigBeeが最適であり、セットメーカーからは、ZigBeeの特性を活かしたシステムを容易に構築できるようにする製品が強く求められております。
三社では、このようなユーザーの要望に応えるため、各社の得意分野を持ち寄り、今回のソフトウェアを開発いたしました。
三社では今回の開発キットが、装置開発者の開発負荷を軽減し、ZigBee対応製品の早期の市場投入を促すものと確信しているため、今後も積極的な開発を継続する計画であります。
なお、NECエレクトロニクスでは、本開発キットと「ピア・ツー・ピア・メッシュ・ネットワーク」の構築例を、11月15日からパシフィコ横浜で開催される展示会「組込み総合技術展(Embedded Technology 2006)」に出展する計画であります。
新製品の特長と主な仕様については別紙をご参照ください。
以上
備考:
各社の社長と所在地は次の通り。
・NECエレクトロニクス株式会社
社長:中島俊雄
所在地:神奈川県川崎市
・株式会社 スカイリー・ネットワークス
社長:梅田英和
所在地:東京都港区
・Uniband Electronic Corporation
社長:Chien-Fung Cheug(チェン・フー・チャイ)
所在地:台湾新竹市