TCB、企業向けIP電話のファイアウォール・NAT越えソリューションを開発
企業向けIP電話のファイアウォール・NAT越えソリューションを開発
TCBテクノロジーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:西村拓美)は、IP電話の標準プロトコルであるSIP(注1)のファイアウォール・NAT(注2)越えソリューションを開発しました。
記
1.製品概要
企業で使われるIP電話システムの多くはSIPで通信されています。最近では、PCにソフトフォンをインストールし、外出先や自宅から企業の電話を使う用途が拡大しつつありますが、SIPの場合、企業ネットワークに必ず存在するファイアウォール・NATを越えられないという弱点ため、企業ユーザは、外出先からVPN(注3)接続をすることによりIP電話を使用しています。しかし、VPNでは、IP電話以外のコンピュータにもアクセスできてしまうため、セキュリティの面から導入できない企業ユーザが多数存在します。
当社では、こうしたニーズに対応し、VPNを使用せずとも安全に外部からIP電話が使えるソフトウェアの開発に成功しました。本ソフトウェアは、TCP/IPのトンネリング技術をベースとしており、中間のネットワークに特別な機器を配置せずにファイアウォール・NAT越えを可能にするため、テレワークや在宅勤務などを推進する企業にとって、小規模な拠点を含んだIP電話網の構築が容易になります。VPN装置などとは異なり、SIPに特化したプロトコルのみを通信させることによりセキュリティを確保しております。また、ソフトウェアはすべてJava言語にて開発されているため移植性に富み、Windows(R) OS上のソフトフォンへの組込みインテグレーションも容易に行うことが可能となっております。
2.製品の提供時期
本技術は、企業におけるIP電話の加速度的普及に資するものであり、当社は、IP-PBXベンダーを初めとした各種通信機器メーカ向けにOEMにて提供する予定です。また、自社開発のビデオ会議システムVisual Nexus(R)への組み込みも将来行う予定です。
OEM供給は、本年11月中にも開始する予定です。
3.今後の見通し
今回の発表における当期業績への影響については、現時点では不明であります。
以 上
≪用語解説≫
注1:SIP(Session Initiation Protocol)
インターネット電話などで用いられる、通話制御方式(プロトコル)の一つ。1999年3月に発表された規格で、H.323など同様のプロトコルより後発のため、これから普及が進んでゆくと考えられている。転送機能や発信者番号通知機能など、同様のプロトコルと比べて公衆電話網に近い機能を備え、接続にかかる時間も短くなっている。
注2:NAT(Network Address Translation)
IPアドレスを複数のコンピュータで共有する技術。組織内でのみ通用するIPアドレス(ローカルアドレス)と、インターネット上のアドレス(グローバルアドレス)を透過的に相互変換することにより実現される。
注3:VPN(Virtual Private Network)
インターネットを経由するにもかかわらず、拠点間を専用線のように相互に接続し、安全な通信を可能にするセキュリティ技術。
以 上
*Visual Nexus(R)はTCBテクノロジーズ株式会社の登録商標です。その他の企業名、製品名等はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。