住友電工ハードメタル、新フライス材種「エースコートACP100/ACP200/ACP300」などを開発
新フライス材種「エースコートACP100/ACP200/ACP300」
および「エースコートACK200/ACK300」を開発、販売
住友電工ハードメタル株式会社(社長:倉阪 克秀 本社:兵庫県伊丹市昆陽北1-1-1)は、高速・高能率加工が可能で、従来材種と比べ2倍以上の切削工具寿命を実現する新フライス材種「エースコートACP100/ACP200/ACP300」および「エースコートACK200/ACK300」を開発し、本年11月からフライス加工用刃先交換チップに適用し、販売を開始します。
切削加工現場で工具に求められる基本的特性に、耐摩耗性と耐欠損性がありますが、近年、1)被削材の多様化、2)環境保全の観点からのドライ加工化、さらには3)短納期対応、加工コスト削減等の要求から、高速・高能率加工が可能で、信頼性が高い長寿命の工具が求められています。
このたび当社は、新開発のPVD(*1) コーティング「スーパーZX コート」とCVD(*2)コーティング「スーパーFF コート」を採用した、高速・高能率加工が可能で刃先の信頼性の高い5 種類の新コーティング材種を開発し、幅広い各種フライス加工用刃先交換チップに適用します。
「スーパーZXコート」は、一層の膜厚がナノメートル台(1ナノメートルは10億分の1メートル)の窒化チタンアルミと窒化アルミクロムの超薄膜を交互に約千層積層させた超多層膜で、現在主に用いられている窒化チタンアルミ膜に比べ、硬度と耐酸化特性が大幅に向上した新PVDコーティングです。また「スーパーFFコート」は、平滑かつ超微細な炭窒化チタンと酸化アルミニウム膜の積層膜で、耐溶着性と耐摩耗性を従来コーティングに比べ大幅に向上させた新CVDコーティングです。
今回販売を開始する「エースコートACP100/ACP200/ACP300」は、一般鋼から金型材・ステンレス加工用として、また「エースコートACK200/ACK300」は、鋳鉄・ダクタイル鋳鉄加工で安定した長寿命加工が可能です。なお、「スーパーZXコート」および「スーパーFFコート」を適用した製品は、従来相当製品と同等の価格設定を予定していますが、長寿命化により工具の交換回数が減少できるため、加工コストの低減に寄与します。
本製品の特長は以下の通りです。
(1)従来材質の1.5倍以上の高速・高能率加工が可能です。
(2)従来と同じ切削条件では、従来材種の2倍以上の長寿命を実現します。
(3)多様な被削材(鋳物、鋼、ステンレス鋼)に適用可能です。
【ラインナップ】
・ACP100(36アイテム)、ACP200(64アイテム)、ACP300(54アイテム)
・ACK200(43アイテム)、ACK300(59アイテム)
【販売計画】
初年度:3億円、3年後:10億円
【価格】
標準品 SEMT13T3AGSN-G(ACP200)・・・970円(税込1019円)
以上
*(1)「PVD」:Physical Vapor Deposition、物理的蒸着法
(2)「CVD」:Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法
・「エースコート」、「ZXコート」、「スーパー ZX コート」、「FFコート」、「スーパー FF コート」は、住友電工ハードメタル(株)の商標または登録商標です。