STマイクロ、0.15ミクロン・プロセス使用でコスト効率に優れた新モジュールを発表
STマイクロエレクトロニクスはTCG 1.2 TPMを0.15ミクロン・プロセス・テクノロジーへ移行
最新のTrusted Computing Group仕様に適合する極めてコスト効率に優れたPCメーカーおよびOEM向けTPMソリューション
TCG(Trusted Computing Group)のTPM(Trusted Platform Module)1.2仕様に完全準拠する製品を最初に発表した企業であるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STの先進的0.15ミクロンCMOS EEPROMプロセス・テクノロジーによって製造される新しいモジュールを発表しました。新型のST19NP18は、成功を収めた前世代のST19WP18 TPMをベースとしており、0.15ミクロン・プロセスの使用によりさらに大きなコスト・メリットをPCメーカーにもたらします。
TPMはコンピュータ・システムのマザーボードに組み込まれ、暗号鍵、パスワード、デジタル証明書を安全に保管します。そして、プラットフォーム認証、core root of trust、およびユーザ信用情報の管理を可能にします。TPMを使用することによって、ハードウェアが変更されていないこと、BIOSが改竄されていないことを検証できます。STではすでに数百万個のTPMデバイスを大手デスクトップ/ラップトップ・コンピュータ・メーカー各社に出荷しており、それらのデバイスは2006年初頭から市場導入されています。今回の新型デバイス発表によって、トラステッド・コンピューティング・テクノロジーに関するSTの主導的立場および現在の取り組みがさらに確かなものになります。
TCG TPM仕様の最新版であるVer1.2に準拠したST19NP18-TPMは、高度な安全性を備えた「フィールド・アップグレード」機能もサポートしており、新しいTCG仕様へのアップグレード、新しいセキュリティ・ポリシーに基づく拡張セキュリティ対策、および新たに特定されたセキュリティ脅威への対応が可能になっています。このアップグレード・メカニズムには、製品が持つハードウェア・セキュリティ機能と公開鍵暗号方式(Public Key Infrastructure)が全面的に活用されています。
現在、新しいPCプラットフォームの多くはTCG仕様に基づくトラステッド機能を搭載しており、大手PCメーカーの他、主要マザーボード・メーカーおよびPC OEM各社がSTのTPMを使用しています。ST19NP18 TPMは、Microsoftの次期OSであるWindows Vistaのネイティブ・デバイス・ドライバでのテストに合格しており、Vistaの新しい機能であるBitLocker Drive Encryption(TM)セキュリティ機能のハードウェア基盤となっています。
サードパーティ契約に基き、このTPMは、PCメーカーおよびOEM向けの完全なターンキー型TCGソフトウェア・パッケージによってサポートされています。
チップには、TPMを利用するすべてのアプリケーションに対して、NTRU Cryptosystems Inc.からライセンスされた基本的なコア・インタフェースとセキュリティ・サービス・フレームワークを提供するCore TCG Software Stack(CTSS)がバンドルされています。また、TPMの管理と暗号化に関するPCアプリケーション用の強力なサポート・ユーティリティとして、Wave Systems Corp.からライセンスされたEmbassy(R) Security Center(ESC)およびCryptographic Services Provider(CSP)もバンドルされています。
Trusted Computing Group(TCG)は、主要ハードウェア企業とソフトウェア企業が幅広く参加する企業連合であり、セキュア・ハードウェア・ビルディング・ブロックとクロス・プラットフォーム・ソフトウェア・インタフェースの使用を通じて、よりセキュリティの高いコンピューティング環境を作り出すために活動しています。今回の新型デバイスは、以前のTCG 1.1b 仕様に対する旧版互換性を備えています。
ST19NP18は小型の4.4mm幅TSSOP28パッケージで提供され、大量発注時の参考価格は約3.00ドルです。まもなく、サンプル出荷を開始、量産開始は2007年第1四半期初旬の予定です。
このプレス・リリースは、次のURLでもご覧いただけます: http://www.st-japan.co.jp/data/press/p2096m.html
…… ST19NP18に関する詳細情報へのリンクも含まれています。
【 Trusted Computing Group(TCG)について 】
Trusted Computing Group(TCG)は約140社で構成される非営利組織であり、STもそのメンバーとして参加しています。TCGは、ハードウェアで可能にされるトラステッド・コンピューティングとセキュリティ技術のオープンスタンダード(複数のプラットフォーム、周辺機器およびデバイスにわたるハードウェア・ビルディング・ブロックとソフトウェア・インタフェースを含む)を開発、推進することを目的とする団体です。主要な目的は,ユーザがソフトウェアの攻撃や物理的な盗難による危険から、データ/パスワード/キーなどの情報資産を守ることを支援することです。
TCGはCompaq、HP、IBM、Intel、Microsoft各社により1999年に設立されたTrusted Computing Platform Alliance(TCPA)を前身としています。TCGはMain(TPM 1.1)仕様やPC Specific Implementation(PC固有の実装)仕様を含め、既存のTCPAの仕様を採択してきました。2003年9月15日にはTSS(TCG Software Stack)仕様が発表され、2003年11月5日にはTPM 1.2仕様が発表されています。また、サーバー、記憶装置、および携帯電話の実装仕様の各ワーク・グループが結成されています。
【 STマイクロエレクトロニクスについて 】
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。
2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
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品川インターシティA棟18階
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Digital Secure Access製品部
TEL:03-5783-8240 FAX:03-5783-8216