米IDT、DSP処理を用いた次世代ワイヤレス・サービスを実現する「10Gシリアルバッファ」を発表
IDT、DSP処理を用いた次世代のワイヤレス・サービスを実現する10Gシリアルバッファを発表
10Gbpsの性能保証と最大90Mbitのメモリにより次世代携帯電話基地局における高いデータ処理性能の要件に対応
大手半導体ソリューションサプライヤのIDT(Integrated Device Technology, Inc.、本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、Nasdaq:IDTI、以下 IDT)は本日、業界で初めてSerial RapidIOを採用したメモリ・ソリューションである「10Gシリアルバッファ」を発表した。ワイヤレス・インフラへの搭載をターゲットとしたこのワイヤレス・チップセット・ソリューションは、すでに発表しているIDTのプリ・プロセッシング・スイッチ(PPS)と併用することで、最適化された相互接続を提供し、DSPの性能を最大で20%高速化できる。これにより、動画配信など、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)を集中的に利用する新たなワイヤレス・サービスを、消費者に対して費用効率よく提供することができる。このワイヤレス・チップセットは、ベンダー各社のDSPやチップ・レート・プロセッサ(CRP)と共に使用でき、携帯電話事業者に完成度の高いソリューションを提供できる。
10Gシリアルバッファは、10Gbpsの性能を提供することで、次世代の携帯電話基地局の高い処理性能に対応する。また、18Mbitのメモリを搭載することで(外部メモリ拡張により90Mbitまで拡張可能)、次世代の基地局システムなど、DSP処理を多用するアプリケーションにおいて、大量の連続データ・サンプル比較をリアルタイムで実行できる。また、並列処理では最大100個のI/Oが必要なのに対し、IDTの10Gシリアルバッファでは16個で済むため、他の方式に比べて部品点数を大幅に削減することができる。この特長は、第3世代以降に必要となる付加価値サービスを費用効率よく提供する上で重要となる。
IDTの10Gシリアルバッファには、インテリジェントなモニタリング/コントロール回路が備わっており、ドロップしたデータ・サンプルを自動的に特定し、補正することで、データの同期性を維持することができる。このため、本来なら別途で開発し、メモリを外付けする必要性が不要になる。この機能は、高速な転送レートが必要となるサービスに不可欠な性能とサービス品質を確保する上で極めて重要である。
IDTのフロー・コントロール・マネジメント事業部のプロダクト・マネージャであるマイケル・オルセン(Michael Olsen)は「10Gシリアルバッファは、当社で行った基地局性能に関する詳細な分析やRapidIOに関する取組み、さらにお客様からの意見などによって誕生したものです。お客様によると、基地局のローカルメモリ容量の制限は、深刻なボトルネックとなっています。データの並列化は1つの選択肢ですが、コストがかさむ一方、FPGA/DSP併用への移行も、実際はコストがかさみ一時的なソリューションに過ぎません。このような中で、10Gシリアルバッファは、大容量・超高速の共有メモリ資源を実現することが可能です。PPSとの併用により、他の方式に比べて部品点数を50~75%節約できるようです」と語っている。
IDTでは、先端のベースバンド・ソリューションを提供するために取り組んでおり、10Gシリアルバッファはその中で最新の製品である。IDTでは携帯電話基地局に加えて、医療用画像処理や高速通信アプリケーション、レーダ、データ収集、サンプリングなど、DSP処理を多用するその他のアプリケーションも対象用途に想定している。
●供給状況
IDTの10Gシリアルバッファは、RoHS準拠の484ピンBGAパッケージで提供される。本製品は現在、サンプル出荷(アルファサンプリング)中である。IDTの10Gシリアルバッファに関する詳細な製品情報は www.IDT.com でご覧ください。
< IDT社の概要 > URL: http://www.idt.com/
IDTは、重要な半導体ソリューションの開発提供における世界的なリーディング・カンパニーであり、お客様の技術革新スピードの加速を支援します。通信、コンピューティング、民生といったアプリケーション分野では、性能に対する要求が絶えず進化していますが、IDTのソリューションにより、激しい変化をともなうお客様のシステム設計上の複雑な課題の解決をお手伝いいたします。
システム分野のノウハウと幅広い技術を強みに、IDTはタイミング製品やネットワーク・サーチ・エンジン、フロー・コントロール・マネジメントIC、および標準規格対応のシリアル・スイッチング製品など、必要不可欠のソリューションを提供しています。カリフォルニア州サンノゼに本社を置くIDTは、設計、製造、および販売の拠点を世界中に持っています。IDTの株式は、NASDAQ株式市場(R)において“IDTI”の銘柄で取引されています。
IDTに関する更に詳しい情報については、 www.IDT.com をご覧ください。
< 日本IDT株式会社について > URL http://www.idt.co.jp/
日本IDT株式会社(所在地:東京都千代田区三番町8番1三番町東急ビル7F、資本金:1億円、代表取締役会長 神山 渡)は、米国IDT社が100%出資し1987年に設立されました。
日本IDT株式会社は、お客様のイノベーションの加速に不可欠な半導体ソリューションの設計、開発、提供におけるワールドリーダーであるIDTの日本法人です。通信、コンピューティング、デジタル家電分野において、技術発展のために複雑化するシステム設計の問題解決を支援します。システムレベルの技術知識と、広範囲にわたるさまざまな技術を統合することで、IDTは、タイミング製品、ネットワーク・サーチ・エンジン、フロー・コントロール・マネジメントIC、また業界標準規格に準拠したシリアル・スイッチ製品を含め、必要不可欠な製品を提供していきます。
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