日立、手にセンサーが反応し3Dキャラクターの動作映像を生成する方式を開発
上下左右から立体視可能な動作映像をセンサー入力に応じて表示する方式を開発
11月18日から池袋サンシャインシティで開催されるイベント
「オメデトー10しゅーねん! たまごっち*1ワールド」*2に展示
日立製作所システム開発研究所(所長:前田 章/以下、日立)は、特殊なメガネを用いることなく立体像を表示できる裸眼立体視ディスプレイ向けに、ユーザの手にセンサーが反応することによって、3Dキャラクターの動作映像を生成する方式を開発しました。本方式によって、自然な立体感のある動作映像を、センサーの入力に応じてリアルタイムに表示することが可能です。本方式を適用した試作機は、11月18日、19日に池袋サンシャインシティにて開催される株式会社バンダイ(代表取締役社長:上野 和典/以下、バンダイ)主催のたまごっち10周年記念イベント「オメデトー10しゅーねん! たまごっちワールド」に展示します。
裸眼立体視ディスプレイにおける表示方式には様々なものが存在します。日立では、自然に見える立体表示を目指し、IV(Integral Videography)方式と命名した技術の開発を進めてきました。IV方式は、高精細なディスプレイの上に小さな凸レンズが並んだマイクロレンズアレイをのせた構造であり、左右だけではなく、上下方向にも視差が存在するため、ディスプレイを横から見ても立体に見える表示方式です。本方式では、複数人が多方向から同時にディスプレイを観察するような場面、あるいは居間で寝転がってディスプレイを見るような場面においても、自然な立体映像を表示することが可能です。
日立では、IV方式の改良を重ね、液晶パネル上の1つのマイクロレンズから60方向の光線情報を出力することによって、滑らかな運動視差*3を表現できるようにしました。また、超音波センサーの入力に応じてリアルタイムな動作映像を表示できるようにしました。これによって、これまでより自然な立体動作映像を、センサーの入力に応じてリアルタイムに表示できるようになりました。
改良したIV方式を適用した試作機は、今年6月に発表した日立とバンダイナムコグループの協力の一環として、7月に開催した展示会「HITACHI uVALUEコンベンション2006」にて初めて公開され、好評を得ました。当該試作機では、バンダイロボット研究所から、ユーザの手の位置をセンシングする技術の提供を受け、ユーザがディスプレイに手を近付けるとセンサーが反応し、3Dキャラクターが近付いてくる仕組みとなっています。
7月の展示会によって、エンターテインメント分野へ応用する場合、リアルタイムな動作映像の生成がさらに要求されることが明らかになったため、「オメデトー10しゅーねん! たまごっちワールド」に出展する試作機では、センサー入力に対する反応時間を短縮するようにソフトウェアを改良し、操作性の向上を実現しています。
日立では、今回のイベントを、IV方式による裸眼立体視ディスプレイに関する市場調査の機会ととらえ、実用化に向けてさらなる技術向上につなげていきます。また、今回のイベントを通じて、子供たちが先端技術を身近に感じ、科学技術への関心をより高めていってほしいと考えています。
用語説明
*1 「たまごっち」シリーズは、株式会社バンダイと株式会社ウィズの共同企画・開発商品です。
*2 「オメデトー10しゅーねん! たまごっちワールド」に関する詳細は、以下のURLをご参照ください。
*3 運動視差:視点の移動により見え方が変化することです。奥行き知覚を成立させる要因の一つです。
関連情報
オメデトー10しゅーねん! たまごっちワールド ホームページ http://tamagotch.channel.or.jp/world/
以上