NECとNECパーソナルプロダクツ、UHF帯RFID技術導入などRFID活用を強化
パソコンの部材調達、生産におけるRFID活用を強化
~ UHF帯技術の本格導入により作業効率20%向上、工場在庫1/3へ ~
NECおよびNECパーソナルプロダクツ(本社:東京都品川区、代表取締役執行役員社長:高須 英世)は、パソコンの生産工場であるNECパーソナルプロダクツ米沢事業場(山形県米沢市)において、本年12月末までにUHF帯RFID技術を本格導入するなどRFID活用を強化します。
NECパーソナルプロダクツ米沢事業場では、これまでパソコンの品質や生産性の向上、および在庫削減を目的として、2004年に国内パソコンメーカーで初めてパソコン量産ラインにRFIDを活用した生産管理システムを導入し、また2005年には、国内初の部材調達領域における「RFID付き電子かんばん」を導入いたしました。
今回、さらなる効率化、品質・CS向上をはかるため、UHF帯(950MHz帯)RFID技術を活用したシステムの本格導入により、RFID活用の高度化を実現します。
このたびのRFID活用の強化内容は、以下のとおりです。
1.ゲート式UHF帯RFIDリーダにより検品作業を効率化
RFIDタグとリーダ(RFID読取機)の距離が、最大6メートル程度離れても読み取りが可能なUHF帯RFID技術を採用した、ゲート式RFIDリーダを本年12月から部材の受入場所に設置。部材のトレーごとに添付されたRFIDタグを、荷台(パレット)に積んだまま一括して読み取ることができるため、部材納入時の検品を自動化するとともに検品ミスを大幅に低減し、作業効率を約20%向上。
これまで、UHF帯RFID技術を利用した一括読み取りにおいては、読み落としの発生など、読み取り精度に課題があったが、このたび、反射の原理を利用するNEC独自技術を活用したゲート式RFIDリーダの導入により、課題を改善し、量産ラインへの本格導入を開始。
また、この部材調達領域でのRFIDの活用により、RFID技術導入前の2004年度実績と比較して、工場部材在庫を約1/3に削減。
2.生産ラインと部材供給会社間のリアルタイム連携強化
注文に対する納期回答を部材供給会社(サプライヤ)から生産ラインにリアルタイムに伝達するなど、生産ラインとサプライヤがリアルタイムに直接情報を収集できる仕組みを構築。
3.マザーボード製造工程でのRFID活用
パソコンの基幹部材であるマザーボードなどの製造工程にもRFID活用を拡大し、部材や製造情報のトレーサビリティの強化、およびマザーボード組み立て作業効率の約20%向上を実現。
マザーボード自体にRFIDタグとなるNECのICチップ"NETLABEL"を実装し、マザーボード組み立て(部材実装)ラインにRFIDリーダを設置、マザーボードに搭載される部材情報や製造履歴を部材実装工程上で収集。これにより、マザーボードから最終組み立てラインまで全工程を通してRFIDを活用したトレーサビリティを実現し、収集した情報を品質管理の強化とCS向上に活用。
NECおよびNECパーソナルプロダクツでは、今後もRFID活用を推進、強化するとともに、米沢事業場で培ったRFID活用ノウハウをベースにしたRFID導入コンサルティングサービスを提供いたします。さらに、NECのRFID検証施設である「RFIDイノベーションセンター」を活用して、お客様の導入前に十分テスト・検証したハードウェア、ソフトウェア、そしてRFIDソリューションを提供してまいります。
以上