住友電気など6社、40Gbit/sソリューション向け小型光デバイスの仕様共通化で合意
住友電気工業通信用光半導体の主要メーカ6社が、
40Gbit/sソリューションに向けた小型光デバイスの仕様共通化(XLMD-MSA)で合意
ユーディナデバイス(株)、三菱電機(株)、NECエレクトロニクス(株)、沖電気工業(株)、日本オプネクスト(株)、および住友電気工業(株)は、本日、OFC2007(Optical Fiber Communication Conference 2007)において、新しいマルチソース・アグリーメント(略称:XLMD-MSA)(注1)を締結しました。本MSAの目的は、今後、需要の伸びが想定される40Gbit/s光トランシーバモジュールに対応した送信及び受信小型光デバイスの互換規格製品の供給を確立することにあります。そのためにMSAでは、送信及び受信小型光デバイスの外形寸法、実装レイアウト、ピン配置、性能等を規格化します。
マルチソース・アグリーメントとは、製品仕様の標準化によりユーザ利便性を高め、市場規模を拡大することを目的として、互換性のある共通仕様の製品を各社が開発・製品化する取り決め(契約)です。上記6社は、それぞれが供給するデバイスを業界標準として提供することに合意しました。
これにより40Gbit/s光トランシーバモジュール市場の早期立ち上がりを促し、大容量ネットワークに高度ソリューションを提供することを目指します。各メンバーは、MSA準拠製品の普及と安定供給を推進していきます。
広帯域のインターネットインフラを構築するために、MAN(注2)、LAN(注3)及びSAN(注4)において、10Gbit/s光伝送インターフェースが広く普及しており、40Gbit/s光伝送インターフェースも使用され始めました。10Gbit/sにおいては、XMD-MSA(注5)により、メーカ間で互換性のあるTOSA(注6)/ROSA(注7)デバイスが提供され、業界標準として広く認知されました。40Gbit/s光伝送インターフェースにおいても、光トランシーバモジュールの早期開発と部品調達を容易にするために、上記の通信用光半導体の主要メーカ6社は、XLMD-MSAを締結し、メーカ互換性のある送信及び受信小型光デバイスを供給することに合意しました。
XLMD-MSAが対象としているのは、SONET OC-768(注8)用の40Gbit/sインターフェース規格に準拠した伝送距離2kmまで適用可能な光デバイスです。現在、外部変調型レーザ送信デバイス及びPIN-TIA(注9)受信デバイスの規格化を進めています。
XLMD-MSAは、主に以下の点において互換性のある送信及び受信小型光デバイスを提供することを目的としています。
1.外形寸法規格
2.実装レイアウト規格
3.ピン配置
4.電気的特性及び光学的特性
現在、XLMD-MSAでは2007年中にピッグテール型光デバイスの仕様公開を予定しています。将来のプラガブル光トランシーバ標準化に合わせて、TOSA/ROSAの仕様化も進めていく予定です。
以 上
注1)XLMD-MSA:40Gbit/s Miniature Device Multi Source Agreement
注2)MAN:Metropolitan Area Network
注3)LAN:Local Area Network
注4)SAN:Storage Area Network
注5)XMD-MSA:10Gbit/s Miniature Device Multi Source Agreement
注6)TOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly):送信用小型光デバイスのこと。主に出力用光ファイバ(ピッグテールファイバ)付きの光デバイスに対し、光ファイバに換えて光コネクタ・インターフェースを有する送信用光デバイスを指します。
注7)ROSA(Receiver Optical Sub-Assembly):受信用小型光デバイスのこと。主に受光用光ファイバ(ピッグテールファイバ)付きの光デバイスに対し、光ファイバに換えて光コネクタ・インターフェースを有する受信用光デバイスを指します。
注8)SONET OC-768(Synchronous Optical Network):北米の光同期伝送網で、伝送速度が40Gbit/sの光通信方式を指します。
注9)PIN-TIA(PIN photodiode-Trans-impedance amplifier):トランスインピーダンス型増幅器を内蔵したPIN構造フォトダイオードのことです。