フリースケール、ZigBeeベースの超低消費電力シングルチップ・ソリューションを発表
フリースケール、ZigBee(R)ベースのシングルチップ・ソリューション
MC1322x Platform in Packageを発表
最大2MbpsのTurboLink(TM)テクノロジを搭載し、最長20年のバッテリ寿命を実現する
超低消費電力のワイヤレス・プラットフォーム
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:高橋恒雄)は、 ZigBee(R)仕様をベースに、業界で最も低い消費電力と最高の性能を実現するシングルチップ・ソリューションMC1322xプラットフォームを発表しました。MC1322xプラットフォームは、現在のZigBeeソリューションに期待されているバッテリ寿命の2倍にあたる20年にまでバッテリを長寿命化するように設計されています。
フリースケールのMC1322xは、ZigBeeアプリケーションに必要なコンポーネントを1つのパッケージに統合したPlatform in Package(PiP)ソリューションとして提供されるため、部品数およびシステム・コストの削減が可能です。MC1322xプラットフォームは、32ビット・マイクロコントローラ(MCU)、IEEE(R) 802.15.4完全準拠のトランシーバ、およびRFマッチング・コンポーネントで構成されています。これらが小型のLGA(ランド・グリッド・アレイ)パッケージに統合されているので、外部RFコンポーネントが不要です。また、MC1322xプラットフォームは、フリースケール独自のTurboLinkテクノロジ・モードを搭載しており、ノード間で最大2Mbpsのデータ・レートを実現します。
フリースケールのワイヤレス・コネクティビティ・オペレーションのマネージャ、ブレット・ブラックは、次のように述べています。「我々はお客様と緊密に連携しながら、次世代のZigBeeソリューションに要求される最適な機能は何かということを探ってきました。その結果、最小限の消費電力と最高の性能を1つの高集積パッケージとして提供するZigBee Platform in Packageを設計しました。MC1322xは、IEEE802.15.4またはZigBeeネットワーク上でのオーディオ・ファイルやデータ・ファイルの高速ストリーミングが不可欠な、まったく新しいワイヤレス・アプリケーションをターゲットとしています。」
グローバル公益事業企業向けの最先端計測テクノロジ分野をリードするItron社は、自社のOpenWay Advanced Metering Infrastructure(AMI)プラットフォームのホーム・エネルギー管理および負荷制御アプリケーション用としてZigBee規格を選びました。
Itron社のOpenWay AMIシステムのプロダクト・ライン・マネージャ、Arun Sehgal氏はこう述べています。「フリースケールのMC1322x Platform in Packageのように低価格で高い性能を実現するZigBeeソリューションが提供されれば、公益事業企業は最先端のエネルギー管理および負荷制御機能を一般家庭に大量に導入できます。この機能は、電力会社にとっては負荷のピークを管理する新しいツールとなり、一般消費者にとっては省エネルギーと料金節約を可能にする手段となります。ZigBeeワイヤレス通信は、単にこうしたことを大規模な市場向けに可能にするだけではなく、高い費用対効果ももたらします。」
最大10倍の転送速度を実現するTurboLinkテクノロジ
現在、ZigBeeテクノロジは、エネルギー管理や資産管理などの産業機器用、民生機器用、および医療機器用アプリケーションをターゲットにしています。フリースケール独自のTurboLinkテクノロジ・モードは、データ・レートを最大2Mbpsまで高め、音声、ワイヤレス・ヘッドセット、圧縮オーディオ、および大容量データの転送といった各種のアプリケーションをサポートする理想的なプラットフォームを実現します。
また、患者モニタ・システムのような医療機器関連アプリケーションでは、TurboLinkにより、身体に取り付けたセンサからデータをリアルタイムで収集することもできます。さらに、収集したデータをZigBeeネットワーク経由で転送すれば、患者のモニタを一箇所で行えます。
MC1322xデバイスは、IEEE 802.15.4プロトコル・パケットとTurboLinkテクノロジ・パケットを自動的に切り替えるため、開発者はTurboLinkテクノロジの高速転送機能という利点を活かしながら、ZigBeeメッシュ・ネットワークの制御および監視機能を実現することが可能です。高速の転送機能は、新しい設計やアプリケーションを生み出す非常に大きな機会をもたらします。
超低消費電力
MC1322xプラットフォームは、バッテリ駆動式のアプリケーションをサポートするための十分な検討を行って設計されています。MC1322xは、リチウム・イオンまたはニッカド・バッテリ向けに最適化されており、コイン型の小型バッテリや標準的なアルカリ・バッテリにも対応し、最大20年のシステム寿命を実現できます。
MC1322x PiPソリューションの主な特長
・ 最大26MHzで動作可能な32ビットMCU
・ IEEE 802.15.4準拠のトランシーバ
・ ハードウェア・アクセラレータおよびセキュリティ
・ 超低電力アプリケーション向けのオンボード・バック・コンバータ
・ 12ビットのアナログ・デジタル・コンバータ(×2)
・ 複数のシリアル・ポートおよびペリフェラル
・ デバイス・ドライバおよびIEEE 802.15.4 2006完全準拠のMACを格納したオンボードROM
・ 費用対効果に優れたワイヤレス・アプリケーション向けに柔軟で堅牢なプラットフォームを実現するRAMおよびFlashメモリ
MC1322xパッケージにはRFチューニング・コンポーネント一式とバランが統合されているので、アンテナと水晶発振器を接続するだけで動作可能です。フリースケールは、MC1322xファミリにRAMベースおよびFlashベースのPiPソリューションを追加する予定です。
フリースケールのBeeKit Wireless Connectivity Toolkitは、シンプルなポイント・ツー・ポイント・ネットワークから完全なZigBeeメッシュ・ネットワークまでの各種ネットワークを構築するための使いやすい設定ツールです。
価格と供給
フリースケールは、2007年5月にMC1322xデバイスのサンプルを限定的に提供する予定です。サンプルの一般提供は2007年の12月を予定しています。MC1322xデバイスには、9.5mm x 9.5mm LGAと7mm x 7mm QFNの2つのパッケージ・オプションが用意されています。また、MC1322xは、標準モード・デバイス (TurboLinkなし)あるいはTurboLinkテクノロジ・モード・デバイスのいずれかを選択できます。LGAパッケージの標準モード・デバイスの場合、1万個購入時の1個あたりの参考価格は5.50ドル(USD)です。
ZigBeeテクノロジについて
ZigBeeは、次世代ワイヤレス・ネットワークの国際標準として採用された低消費電力のワイヤレス通信テクノロジであり、プロトコルを単純化し、機能を限定することで、データ・サイズを抑えた低コストのネットワーク構築を可能にします。ZigBeeでは、2.4 GHz帯の短距離ワイヤレス通信の標準であるIEEE 802.15.4で定義されているPHYおよびMACレイヤを使用します。ZigBeeは、ZigBeeアライアンスで定義されたZigBeeプラットフォーム仕様とZigBeeプロファイルから構成されます。フリースケールのZigBee準拠ソリューションの詳細については、www.freescale.com/zigbeeのWebサイトをご覧ください。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、ネットワーキングおよびワイヤレス・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界30カ国以上の国で、半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。フリースケールは世界的な大手半導体メーカーです。2006年度の売上高は64億ドル(USD)でした。詳細は、 http://www.freescale.com (英語)、または http://www.freescale.co.jp/ (日本語)をご覧ください。
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