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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.28.Thu
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2007'04.16.Mon

鹿島、20年間の海中暴露試験により「ハイドロクリート」の長期耐久性を確認

海中暴露20年!
ハイドロクリート長期耐久性試験を実施


 鹿島(社長:中村満義)は、業界に先駆け1979年に開発に着手した水中不分離性コンクリート(商品名:ハイドロクリート)の長期耐久性を確認するため、1985年から海中に試験体を設置して長期にわたる暴露実験を行ってきました。この試験は、鹿島の品質保証の観点から計画され、実施されたものです。
 暴露開始20年目にあたる2005年に最後の試験体を引き揚げ、様々な調査を行いました。この結果、20年間の海中暴露においても耐力が低下していないことが明らかとなり、ハイドロクリートの長期耐久性が確認されました。


【 ハイドロクリートの概要 】

 ハイドロクリートは1979年に西ドイツ(当時)から技術導入し、鹿島が三井石油化学工業(株)(現、三井化学(株) 社長:藤吉建二、事業は三井化学産資(株)社長:磯谷計嘉 本社:東京都文京区が継承)と日本海上工事(株)(社長:藤田和仁 本社:東京都港区)とともに、国内の材料を用いて開発した日本初の水中不分離性コンクリートです。

*添付画像1:海中でのハイドロクリート打設


 このコンクリートは、開発した特殊混和剤を通常の材料に添加することでコンクリートに高い粘性と流動性を付与したもので、材料分離に対する抵抗性と狭い間隙などへの充てん性に優れています。水中に自由落下させても水質汚濁を極めて小さく、空気中で打設する普通コンクリートと同様に、均質かつ所定の強度を発現します。それまで水中において構築が難しかった薄くて広い部材や高品質の鉄筋コンクリート構造物などを構築することが可能となりました。また、工事の簡略化や工期の短縮などを実現しました。
 開発以来ハイドロクリートは明石海峡大橋や来島海峡大橋など多くの海洋構造物や河川内の基礎構造物に適用され、2005年度末までに約70万m3の施工実績を有しています。


【 長期耐久性試験 】

 業界に先駆け開発したハイドロクリートの耐久性を実際に確認するため、開発当初に長期耐久性試験を計画しました。1984年に鹿島技術研究所の模擬海水中にて
 12体の鉄筋コンクリート試験体を製作し、翌年に東京湾の水深5mの海底に設置して暴露実験を開始しました。
 調査は、暴露開始5年・10年・20年の3回に分けて試験体を海中より引き揚げ、部材の曲げ耐力、塩分含有量、圧縮強度、鉄筋の腐食量などの耐久性に関する試験を行うものです。

*添付画像2をご参照ください。


 今回、1年を費やし実施した暴露20年の最終調査結果も、圧縮強度や曲げ耐力ともに暴露開始前や暴露5年、10年時の試験結果と同等であり、20年間海中に暴露しても十分な耐久性を有していることを確認しました。
 また、これまでの鉄筋の腐食減量の推移から設計耐力を100年以上維持できることが明らかになりました。


【 今後の展望 】

 ハイドロクリートは、水中でRC構造物を直接構築することができ、かつ高い耐久性を有するという優れた性能から、今後多くの海洋RC構造物などに適用されていくことが予想されます。当社では、今回の長期耐久性試験で得られたデータをもとに、ハイドロクリートの更なる耐久性を検討していく方針です。

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