三井造船と三井物産、天然ガス輸送事業推進で新会社を設立
三井造船・三井物産による新会社「NGHジャパン株式会社」の設立 世界に先駆けて天然ガスハイドレート(NGH:Natural Gas Hydrate)の事業化を目指す
三井造船株式会社(社長:元山登雄)(「三井造船」)と三井物産株式会社(社長:槍田松瑩)(「三井物産」)は、天然ガスハイドレートによる天然ガス輸送事業を推進するための新会社、「NGHジャパン株式会社」(出資比率:三井造船80%、三井物産20%)を4月13日に設立しました。
NGHとは、天然ガスが水分子の中に取り込まれたシャーベット状の固体物質で、安全性が高く、経済的で、環境にも優しい新たな天然ガスの輸送・貯蔵媒体として期待されています。
2006年5月に発表された「新・国家エネルギー戦略」にも掲げられるように、昨今、日本として海外エネルギー資源獲得能力を強化するための技術開発が重要となっています。
三井造船および三井物産は、三井造船が持つNGH製造・貯蔵・ガス化プロセス技術と、三井物産がLNGで実績を保有する天然ガスバリューチェーンの構築力、事業展開力を融合、補完し、最大限の効果を発揮すべく、新会社を設立の上、日本発の技術で世界に先駆けてNGHの事業化を目指します。これにより日本の自主資源獲得能力を強化することで、日本の国益にも貢献できると考えています。
今回の新会社設立を通じて、NGHの技術開発、事業開発を推進することで、これまで開発が困難と言われてきた中小ガス田の開発が可能となるとともに、ガス供給が困難な地域へも長期に亘り安価なガス供給が可能となり、安全且つ環境に優しい天然ガスの世界中の更なる普及に貢献します。将来的には、日本近海に埋蔵されるメタンハイドレート抽出・輸送技術への転用や二酸化炭素回収などの環境対策への転用も期待されます。
三井造船および三井物産は2012年頃の事業化移行を目標に、新会社にてパイロットプラントによる実証実験も含めて技術開発並びに事業性調査を推進し、2020年から2030年に世界で年間1,000万トン(LNG換算)規模でのNGH供給を目指します。
【 NGHジャパン株式会社 概要 】
(1)当初事業目的 NGH技術開発および事業化推進
(2)設立時資本金 1千万円(順次増資予定)
(3)出資比率 三井造船80%、三井物産20%
(4)所在地 東京都中央区築地5-6-4(三井造船本社内)
(5)代表者 高沖 達也(三井造船)