松下電工、インドの電設資材メーカーを買収し現地で電材事業を本格展開
インドにおける電材事業の本格展開について
~配線器具No.1企業 Anchor Electricals社の買収~
松下電工株式会社(本社:大阪府門真市、社長:畑中 浩一)は、インド共和国のトップシェア電設資材メーカーであるAnchor Electricals Private Limited(以下「Anchor社」)の発行済株式の80%を取得しましたのでお知らせします。中長期的な経済成長が期待されるインドは極めて重要な市場の一つであり、当社は、Anchor社の買収を通じて、インド市場への本格展開を図ってまいります。なお、Anchor社の現オーナー家は引き続き20%相当の株式を保有し、当社と共同でAnchor社の事業拡大に貢献してまいります。
1.背景
当社は、電材(照明、情報機器)、電器、住設建材、電子材料および制御機器の5つの事業セグメントを擁し、建築関連事業が売上高の約7割を占めています。また、日本国内においてはシェアNo.1商品を多数擁しており、それらで売上高の3分の2を構成するなど、盤石な事業基盤を確立しています。
今後の目指す姿を示した「2010年プラン」では、日本経済が成熟化する中で、当社がより一層の利益成長型企業へ変革・加速するために、(1)海外事業の拡大、(2)デバイス事業の拡大、(3)建築関連事業の高付加価値化を3つの成長戦略として掲げ、グローバルエクセレンスへの飛躍を目指しております。特に、海外事業の拡大は成長力を高める最重点課題であり、海外販売高を現在の2,216億円(2006年3月期)から、2010年に3,200億円(2011年3月期。5年間の年平均成長率7.6%)まで伸ばすことを目標にしています。
2.意義・狙い
(1)“電材事業”のインド市場への本格参入
BRICsの一角として注目を集めているインド経済は、過去3年間の実質GDP成長率が平均8.1%を記録するなど、近年急成長を遂げています。とりわけ、政府主導によるインフラ整備強化の恩恵を受けて、建設や電力などのインフラ関連セクターが特に高い成長率を記録しており、これに伴って配線器具をはじめとする電材市場も、今後、急速な拡大が期待されています。
(2)配線器具事業のアジア市場でのトップシェアの実現 ~ グローバルエクセレンスへの飛躍
当社の配線器具事業は、日本国内で圧倒的シェアを有する一方、アジアにおいても中国、台湾、韓国、ASEAN諸国などで、いち早く事業を展開し、一定の事業ポジションを築いていますが、アジア市場におけるトップシェアの獲得と更なる成長のために、インド市場における事業拡大は喫緊の経営課題となっておりました。
Anchor社の買収により、当社はアジア市場における事業基盤をより強固とし、さらには、当社の掲げる「配線器具事業のアジア市場でのシェアNo.1」という中期経営ビジョンの実現に向けて成長戦略を加速させてまいります。
3.Anchor社の概要
Anchor社はインド共和国ムンバイ市に本社を置く電設資材メーカーであり、1963年の創業以来、スイッチやコンセントなどの配線器具事業で順調に事業を拡大させてきました。また、市場からのニーズに合わせて、照明器具、換気扇や天井ファン、電線などへと商品ラインアップを順次拡充させ、現在ではインド最大規模の電設資材メーカーとして成長し、主力商品の配線器具ではトップシェアを獲得しております。
Anchor社は、(1)40年以上の長い歴史に裏打ちされた知名度(ブランド認知度)およびそのブランド力による顧客訴求力、(2)インド国内全土に張り巡らされた独自の強固な販売ネットワーク、(3)金型製作・部品加工から完成品組立に至るまでの一貫生産体制による高い製造力など、他社の追随を許さない強固な事業基盤を有しております。
※詳細別紙ご参照
Anchor社と、当社はともに配線器具を創業の製品とし、電材事業をコア事業とするなど、相互に最適な事業パートナーであると認識しており、今後、Anchor社と当社の事業基盤を融合することで、インドの経済および社会の発展にも大きく寄与するものと確信しております。
4.投資金額
本件により、当社はAnchor社の発行済株式の80%を取得し、投資額は約500億円になります。この投資額は、会計事務所や弁護士事務所などの外部専門家によるデュー・ディリジェンスなどを通じて、Anchor社の事業内容や資産内容、将来性などについて慎重かつ十分に検討を加えたうえ、フィナンシャルアドバイザーであるLazard社からの助言も踏まえ、妥当なものであると判断しました。
また、この資金については、今後の当社の財務面の安定性や健全性を十分に考慮のうえ、全額自己資金を充当しました。
5.今後の事業運営
本件後は当社から経営幹部を派遣しますが、円滑な事業承継および既存販売ルートの維持・拡大などを考慮し、現オーナー家と共同経営していきます。現オーナー家は20%相当の株式を継続保有するとともに、引き続き取締役として経営全般にわたり協力を得ることにしています。なお、当面、Anchor社の社名は現行のままとし、Anchorブランドを継続して使用する予定です。
今後、当社の商品力や開発力を活用した新商品の投入や、ものづくりノウハウ供与による製造効率の改善、周辺国への輸出拠点としての活用など、シナジー効果を最大限発揮し、一層の収益拡大を図ります。
本件買収に伴い、Anchor社は当社の連結対象となります。
以上
別紙:<ご参考> 関係当事会社の概要
(※ 関連資料を参照してください。)