東レ、グループ紡績事業の体質強化で関連紡績会社の工場集約
グループ紡績事業の体質強化策について
東レ(株)は、この度、当社グループの紡績事業の体質強化を図るため、関連紡績会社の丸一繊維(株)(本社:新潟県糸魚川市、代表取締役社長:田島 譲)において、営業改革として自販化を推進するとともに、生産改革として市場規模に即した生産体制とするべくダウンサイジングを実施します。これにともない、同社能生工場を今年度中に閉鎖し、糸魚川工場へ集約することにしました。
今回の体質強化策では、自販化の推進として、定番の太番手糸のみならず細番手糸や特品糸にいたるまで、同社で生産する紡績糸の約90%を自販化することにより、グループ紡績事業としての利益極大化を目指します。また、生産量を従来の約85%に絞り込むことで生産設備を集約し、さらなるコスト削減にも取り組みます。これまで取り組んできた様々な体質強化策が成果を上げつつあり、事業として堅調に推移している現段階において、次の一手としてこれらの営業改革と生産改革を実施することで、競争力を一段と高め、収益基盤の強化を図ります。
国内合繊短繊維製品の需要は、年間45万トン前後で推移し、今後もほぼ横ばいで推移すると見られますが、海外からの製品輸入が年々増加し、国内の紡績糸生産量は減少傾向にあります。1994年に約50%であった輸入浸透率は、2006年時点では約90%にまで達しています。このような厳しい事業環境において、東レグループは、コストの削減、QR対応、新製品開発、高付加価値商品の拡販に努める一方、2003年には関連紡績会社の大垣紡績(株)と扶桑紡績(株)を統合して経営の効率化を図るなど、従来から強固な事業基盤の構築に取り組んできました。しかしながら、輸入浸透率の上昇が想定以上のスピードで進行しており、国内の紡績糸生産量が今後さらに減少することが予想されるため、今回の体質強化策を実施することとしました。
東レは、中期経営課題“IT-2010”において、繊維事業を最も重要な基盤事業と位置付け、安定的な収益基盤の構築・維持を基本戦略としています。この度のグループ紡績事業の体質強化策もその一環であり、今後も、国内紡績事業を維持継続するために、収益基盤の強化策を推し進めてまいります。
(ご参考)丸一繊維(株)の概要
1.設立 : 1950年
2.事業内容 : 合繊短繊維糸の製造・販売
3.本社 : 新潟県糸魚川市
4.資本金 : 48百万円
5.社長 : 田島 譲(東レ出身)
6.従業員数 : 142名(2006年9月末現在)
以上