ユニアデックス、Linux障害発生時のメッセージ検索システム「OSSメッセージペディア」を公開
ユニアデックス
Linux(R)障害発生時のメッセージ検索システム「OSSメッセージペディア(TM)」を公開
-Linux利用現場で、効率の良い障害対応が可能に-
ユニアデックス株式会社(本社:東京都江東区、社長:高橋勉、以下ユニアデックス)は、Linux障害発生時に出力される警告や障害メッセージの意味、その対処方法などをインターネット上で、検索/参照できるメッセージマニュアル・データベース・システム「OSS(注1)メッセージペディア(http://ossmpedia.org)」を開発し、本日から公開します。
ユーザーはLinuxカーネル(注2)が出力したエラーメッセージなどを「OSSメッセージぺディア」の所定の欄に入力することで、その意味や状態の解説、対処方法などを即座に知ることができ、効率の良い障害対応が可能になります。
●「OSSメッセージぺディア」開発の背景
Linuxには、汎用コンピューターやUNIXでは一般的に標準提供されているメッセージマニュアルが存在しません。ユーザーは、障害発生時にエラーメッセージが出力されていても、その意味、対処方法が分からないという課題を抱えています。一方、システムインテグレーターやサポートサービス提供企業にとっては、障害対応時に出力されるメッセージをソースコードレベルで調査するしかなく、Linux技術者も業界全体で慢性的に不足しているため、その対応には時間がかかる現状にあります。
ユニアデックスは、こうした課題に対応するためインターネット上で、参照/更新が可能なメッセージマニュアル・データベース・システム「OSSメッセージペディア」を開発しました。本システムで、ユーザー(利用者)が照会できるメッセージマニュアルには、
■サポート部門に報告されている警告や障害メッセージ
■システムログに蓄積されることの多い警告や障害メッセージ
などが含まれ、Linuxカーネルのソースコード解析に基づいて、その意味、状態、対処方法などを記述した内容を収容しています。なお、このデータベース上の各メッセージデータは、株式会社日立製作所、ミラクル・リナックス株式会社と共同で作成しました。今回登録したメッセージデータ数は、356メッセージで、Linuxカーネル障害時に通常表示される可能性のあるメッセージの1割弱に相当します。
なお「OSSメッセージペディア」は、「独立行政法人情報処理推進機構オープンソースソフトウエア活用基盤整備事業」に係る委託業務の一環として開発されました。現在、「OSSメッセージペディア」を収容したサーバーの運用管理はユニアデックスが実施しています。
●「OSSメッセージペディア」に関する今後の予定
今回「OSSメッセージペディア」に収容したメッセージマニュアルは、改変、複製、ならびに再配布が自由なオープンソース形式のドキュメントライセンスである、GFDL(GNU Free Documentation License)で公開しています。Linux技術者は、メッセージの意味や対処方法の加筆・修正を自由に行えます。これにより、加筆・修正を行うメンバーを業界全体から広く集めることでコンテンツの充実を図っていきます。
また、今回はLinuxカーネルメッセージに関するものだけが収容されましたが、Linuxカーネル以外にも複数のOSSプロダクト、バージョン、各国語にも対応可能となっています。
ユニアデックスは今後、「OSSメッセージペディア」自体のプログラム・ソースコードを、オープンソースソフトウエアの開発者支援サイトである「SourceForge.net(注3)」上に公開することで、プログラムのダウンロードを可能とします。また、その開発に参加したい技術者が、開発プロジェクトに参加可能となる環境を整える予定です。なお、ライセンスはオープンソースのライセンスであるGPL(The GNU General Public License)を採用する予定です。
以 上
【協力各社からのコメント】
株式会社日立製作所ソフトウエア事業部OSSテクノロジーセンター長佐々木大介氏
日立製作所は、「OSSメッセージペディア」の公開を歓迎いたします。Linuxカーネルのエラーメッセージに対して、内容や対処方法を検索できるデータベースの開発により、Linuxの普及がさらに拡大するものと考えます。
日立はこれまで、メッセージマニュアルなどのコンテンツ作成に参画してまいりましたが、今後は、Linuxサポート現場への適用や、世界のコミュニティとの連携活動などを通じて、OSSメッセージペディアの活用促進に引き続き貢献していきます。
ミラクル・リナックス株式会社代表取締役社長佐藤武氏
ミラクル・リナックス株式会社は、ユニアデックス株式会社のLinuxメッセージマニュアル「OSSメッセージペディア」公開の発表を心より歓迎いたします。Linuxは近年急速に普及していますが、技術ドキュメントやマニュアルが充分に整備されていない面がありました。Linuxメッセージマニュアル「OSSメッセージペディア」が公開されたことは、Linuxをさらに使い易いものとして普及させる有意義な取り組みであると認識しております。
弊社もLinuxメッセージマニュアルの開発の一部を支援させていただきましたが、今後もLinuxを普及させていくために弊社も引き続き様々な形で尽力していく所存です。
【OSSメッセージぺディアの画面イメージ】
※添付資料を参照
注1:OSS(Open Source Software オープンソースソフトウエア)
ソフトウエアの設計図(ソースコード)を広く一般に公開しているソフトウエアのことです。そのソフトウエアを誰でも、無償で利用、改変、再配布が可能です。
注2:カーネル
OS(基本ソフト)の中でも、特にメモリー管理やタスク管理などの基本機能を司る中核部分です。
注3:SourceForge(http://sourceforge.net)
オープンソースソフトウエアの開発者が、無料で使用可能なソフトウエア共同開発プラットフォームです。
*OSSメッセージペディアは、ユニアデックス株式会社の商標です。
*Linuxは、Linus Torvalds氏の日本およびその他の国における登録商標あるいは商標です。
*UNIXは、UNIXシステムの標準化を推進する業界団体「The Open Group」の登録商標です。
*その他記載の会社名/商品名は、各社の商標または登録商標です。
ユニアデックス株式会社(www.uniadex.co.jp)
ユニアデックス株式会社は、1997年に設立された日本ユニシスグループのICT(Information and Communication Technology)総合サービス企業です。
コンピューターネットワークの設計・構築・導入・運用管理・保守、ソフトウエア導入・保守、さらにはICT設備工事、周辺機器製造、インターネットサービスまでをユニアデックス1社で一貫して行い、企業の生産性向上のための効率的なICT基盤づくりを支援します。
国内200ヵ所以上のサービス拠点で、ISO9001、ISMS、BS7799認証取得等に裏づけられた高品質サービスを24時間365日体制で提供。また世界100カ国以上の拠点においても国内と変わらないサービスを提供しており、海外進出企業のICT基盤づくりを支えています。
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