アンリツ、テストシナリオを効率よく作成できるCDMA2000シナリオコンポーザを開発
シグナリングテスタ MD8470A CDMA2000(R)機能強化
CDMA2000 シナリオコンポーザ MX702600B
テストシナリオ作成の効率化とテスト品質の向上に貢献
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、携帯電話端末ソフトウェア開発・検証用の基地局シミュレータであるシグナリングテスタMD8470AのCDMA2000ソリューションを強化。
新たに、CDMA2000方式携帯電話端末試験(注)で使用するテストシナリオ(※1)を効率よく作成できるCDMA2000シナリオコンポーザMX702600Bを開発、4月27日より販売いたしました。
MX702600Bは、CDMA2000 1Xに加え、CDMA2000 1xEV-DOのパケット通信速度を高速化したCDMA2000 1xEV-DO Rev.A(※2)まで対応したテストシナリオを作成できます。さらに、CDMA2000 1xEV-DO Rev.Aの機能の1つであるBCMCS(※3)のテストシナリオも作成可能です。
これまでMD8470AでCDMA2000基地局動作の柔軟なシミュレーションを行うには、3GPP2規格のプロトコルに加え、Perl言語(※4)、MD8470Aの独自仕様に精通したエンジニアが、時間をかけテストシナリオを作成する必要がありました。
MX702600Bは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)(※5)によるシナリオ作成機能を実現。マウス・キーボードの簡単な操作で作成したテストシーケンス(※6)を、MD8470A上で実行できるテストシナリオに変換・出力でき、テストシナリオ作成を効率よく行えます。また、テストシーケンスを目視で確認しながら作業ができるため、作成時のプログラミングミスを防ぐことができ、テスト品質の向上に貢献します。
※CDMA2000(R)は、Telecommunications Industry Association(TIU-USA)の登録商標です。
【シグナリングテスタ MD8470A】
MD8470Aは、携帯電話端末機能試験を1台で実現する基地局シミュレータです。CDMA2000の各種オプションを搭載することで、CDMA2000 1X/1xEV-DOの音声通信、データ通信、SMS(※7)、ハイブリッド動作(1X方式と1xEV-DO 方式の切り替え)、ハンドオフ(※8)などさまざまな呼接続状態におけるCDMA2000 1X/1xEV-DO携帯電話の動作を検証できます。また、コンパクトサイズであり、かつユーザインタフェース用のプロセッサにWindows(R) operating systemを採用していることから、外部サーバや制御用PCが不要。エンジニア一人ひとりがパーソナルな開発環境で、効率良く携帯電話端末の機能試験を行えます。
※Windows(R)は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
(注)試験構成例
●CDMA2000 1X/1xEV-DOハイブリッド試験構成
シグナリングテスタ MD8470A+CDMA2000 1Xシグナリングユニット MU847030A+CDMA2000 1xEV-DOシグナリングユニット MU847032A+セカンドRFオプション MD8470A-01+CDMA2000シミュレーションキット MX847030A
[開発の背景]
第3世代携帯電話サービスがグローバルに普及する中、携帯電話端末にはさまざまなアプリケーションが搭載されています。
アンリツは、2004年にW-CDMA、GSM/GPRS方式携帯電話端末のアプリケーション試験を1台で可能とする小型の基地局シミュレータであるシグナリングテスタMD8470Aを開発。その後、CDMA2000 1Xおよび1xEV-DO方式に対応し、CDMA2000携帯電話端末のソフトウェア開発・検証ソリューションを提供してまいりました。
MD8470Aはテストシナリオに従って動作し、CDMA2000ネットワークを柔軟にシミュレーションできることが大きな特長です。しかし、これまでこのテストシナリオは、3GPP2規格のプロトコルに加え、Perl言語、MD8470Aの独自仕様に精通したエンジニアが多大な労力をかけ作成しなければなりませんでした。
そこでアンリツは、MD8470AのCDMA2000ソリューションを強化。新たにテストシナリオを効率よく作成できるCDMA2000シナリオコンポーザMX702600Bを開発いたしました。
[製品概要]
CDMA2000 シナリオコンポーザ MX702600Bは、シグナリングテスタ MD8470Aで使用するCDMA2000 1X/1xEV-DO方式携帯電話端末試験用のテストシナリオを効率よく作成できるソフトウェアです。作成されたテストシーケンスを、Perl言語で記述されたテストシナリオに変換・出力し、MD8470A上で実行することができます。
[主な性能・機能]
□CDMA2000 1xEV-DO Rev.Aに対応
MX702600Bは、CDMA2000 1Xに加え、CDMA2000 1xEV-DO方式のパケット通信速度をさらに高速化したCDMA2000 1xEV-DO Rev.Aのテストシナリオを作成できます。
□BCMCSのテストシナリオ作成が可能
CDMA2000 1xEV-DO Rev.Aの機能の1つで、同じデータを多数のユーザーに対して一斉同時配信(マルチキャスト)を可能とするBCMCSに対応したテストシナリオを作成できます。
□ラダーシーケンス(※9)のイメージで作成可能
テストシナリオの仕様書では、プロトコル動作をラダーシーケンスで表現することが一般的です。MX702600Bはラダーシーケンスを設計するイメージでテストシーケンスを作成・編集できます。また、Perl言語やMD8470A独自の記述方法・インターフェースを意識することなく、目的のテストシナリオが作成できます。
□簡単操作
一連のテストシーケンスやメッセージ定義などのコピー&ペーストをはじめ、シナリオの作成・編集を効率化する機能を多数用意しており、簡単にテストシーケンスを編集できます。
□豊富なサンプルセット
音声通話・データ通信・各種ハンドオフ試験のサンプルシーケンスを数多く同梱しており、サンプルシーケンスをベースに編集・作成することで、テストシナリオ開発期間を大幅に短縮することができます。サンプルセットは、ダウンロード・サービスにより随時追加を予定しています。
□PPPサーバ(※10)の動作を定義可能
MX702600Bは、PPPサーバの動作をラダーシーケンス上で記述することができます。また、MD8470AはPPPサーバをシミュレーションする機能を内蔵しており、PPPサーバを外部に用意することなく、携帯電話端末のデータ通信試験における正常・準正常系テストシーケンスを作成することができます。
[対象市場・用途]
□CDMA2000方式携帯電話端末のソフトウェア開発・検証
[営業情報]
□予定販売台数(初年度1年間):国内/海外計 100セット
□価格
CDMA2000 シナリオコンポーザ MX702600B:270万円
(サポート契約含む)
[用語解説]
※ 関連資料参照
<お客様からのお問合せ先>
アンリツ株式会社
計測サポートセンター
TEL. 0120(827)221
E-mail: MDVPOST@cc.anritsu.co.jp