アジレント、電子機器メーカー向けに低価格インサーキット・テスト・システムを発表
Agilent Medalist i1000 インサーキット・テスト・システム
アジレント・テクノロジーが、民生用電子機器メーカ向けに
低価格のインサーキット・テスト・システムを発表
「必要十分な検査」機能により、民生用電子機器でもICTを利用可能に
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、民生用電子機器メーカ向けに、「必要十分な検査」を求めるユーザニーズに対応した低価格のインサーキット・テスト・システム(ICT)「Agilent Medalist i1000」を発表、本日より販売を開始します。この製品は、デジタル家電やパソコン用マザーボードなど、低コスト製品の量産検査に向けたものです。出荷開始は2007年9月を予定しています。販売開始後1年間で4億円の販売を目指します。
「Agilent Medalist i1000」では、主に高い信頼性が要求される製品の基板検査で行なわれるデジタル・インサーキット・テスト機能を除外し、簡易デジタル・テスト機能とすることで、既存の上位機種の半額以下の低価格を実現しました。当社では、「必要十分な検査」を提供することで、従来、価格的な制約から、ICTがあまり使われていなかった民生用電子機器の分野にも、ICTの価値を訴求していきます。
従来民生用電子機器の検査に使われてきた製造不良アナライザ(MDA)や当社が特許を保有するTestJet技術採用のICTと比べ、「Agilent Medalist i1000」は、最新のAgilent VTEP v2.0ベクターレス・テスト技術(*1)の採用により、実施可能な検査範囲の拡大を図っています。VTEP v2.0は、TestJet技術をさらに発展させたVTEPおよびiVTEP技術と新しいNPM(ネットワーク・パラメータ測定)技術を統合し、マイクロBGA(ボール・グリッド・アレイ)やフリップ・チップなどの最新の部品のオープン不良検査にも幅広く対応したほか、デスクトップPCや通信機器などに広く見られるコネクタの電源とグランド・ピンのオープン不良検査などにも対応しています。
また、使いやすいユーザ・インタフェースにより、システムの操作も容易です。AutoDebug機能により、従来は数日かかっていたデバッグ作業を数時間までに短縮し、製品の市場投入を早め、収益を改善することが可能となります。
Agilent Medalist i1000は、アナログ・インサーキットにおいてテストする部品以外の回路の影響を遮断するための自動ノード・ガーディング機能も搭載しており、ガード・ポイント選定のための手作業が不要で、テストのデバッグ時間短縮に役立ちます。
Medalist i1000では治具方式に合わせて2つのシステム・モデルを提供します。1つめは、プレス・ダウン式の典型的なMDAタイプの低価格の治具を使用するモデルです。多くのMDA治具との互換性があるため、これまでの資産を有効活用しながら既存のMDAの検査可能範囲を広げたいと考えているお客様に最適です。
2つめはバキューム式治具を使用するモデルで、電気モータを使った治具固定システムを採用しています。バキューム式治具は、接続のフラット・ケーブルが不要のため、高い信号純度を実現でき、安定した検査が可能です。また治具交換の時間も短縮できます。
アジレントのICT担当のマーケティング・マネージャであるNK Chariは次のように語っています。
「プリント基板が複雑になるにつれて、現在のMDAを使った検査では解決すべき課題が多くなってきています。Medalist i1000は低コストで先端のテスト機能を実現しています。使いやすさと不良検出範囲の拡大により生産性を高めることができる、ユニークで導入しやすいソリューションとなっています。」
この製品についてのさらに詳しい情報は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.com/see/i1000
◆Agilent Medalistインサーキット・テスト・システムについて
Agilent Medalistインサーキット・テスト(ICT)・システムは、ICT業界をリードする柔軟性と安定性により、エレクトロニクス機器メーカが実際に抱える問題を解決します。このシステムは、自由度の高い拡張可能な構成で、製造段階における幅広い課題に対応できることが特長です。互換性のある設計と実績のあるICT技術により、業界で類を見ない水準のテスト可搬性、安定性、再現性を提供しています。これにより、システム、製造ライン、サイトなどに縛られず、また測定確度を犠牲にすることなく自由に検査工程を構築することができます。新たにMedalist i1000をラインナップに加え、アジレントは多様な基板のテストに対応できる幅広いソリューションを提供できるようになりました。
さらに詳しい情報は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.com/see/ict
◆販売方針
*目標市場:デジタル家電やパソコン用マザーボードなど、低価格のインサーキット・テストを必要とする民生用電子機器の製造部門向け
*参考販売価格:約540万円から(最小構成価格)
*販売開始後1年間での販売目標:4億円
*販売開始日:本日
*出荷開始時期:2007年9月
◆お客様からのお問い合わせ先:
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
◆アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2006年度、50億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp
*1 ベクターレス・テスト技術:インサーキット・テスト・システムにおいて基板に電源を供給しないでICのピンのオープン不良を検出する検査手法の一つです。当社では、このベクターレス・テスト技術として、1993年に、当社が特許を有するTestJet技術を発表しています。さらに、このTestJet技術を発展させた VTEP(2003年)、iVTEP(2005年)を発表し、検査可能範囲を拡大しています。今年発表しているNPM(ネットワーク・パラメータ測定)もこの技術の延長です。