三菱商事、韓国での温暖化ガス削減事業で年間約28万トンの排出権を取得
韓国N2O削減事業の国連承認について
三菱商事がHanwha Corporaiton(以下Hanwha)と共同で韓国で進めている亜酸化窒素(N2O)削減プロジェクトが、5月3日に国連CDM理事会で正式に承認・登録されました。三菱商事にとっては5件目、その中でN2O案件は3件目の国連承認となります。韓国は有数の温室効果ガス排出国であり、国連登録ベースの韓国の温室効果ガス排出量は第4位です。国連承認された同種プロジェクトとしては韓国で2件目となります。
亜酸化窒素(N2O)は、火薬製造・合成肥料製造工場における硝酸(NHO3)製造過程で発生する不要な副産物です。本プロジェクトでは、硝酸生産過程における排気ガスに含まれるN2Oの排出量の削減を目的に、触媒をHanwha硝酸プラントに設置、年間約28万トンの排出権(CER)を獲得する事業を実施します。獲得した排出権は日本国内の需要家に販売予定です。
※クリーン開発メカニズム(CDM)とは:
地球温暖化防止のために1997年に合意された京都議定書が定める温室効果ガス削減プロジェクトの手法。そのルールに従い先進国(日本)の企業が途上国(韓国)で温室効果ガスの排出量削減事業を実施すれば、国連CDM理事会より排出権(CER)を取得することができる。
1)プロジェクトの名称:
HANWHA CORPORATION N2O削減プロジェクト
2)プロジェクトの所在地:
韓国、ウルサン市(蔚山市) オンサン邑(温山邑)
3)プロジェクトの実施スケジュール:
プロジェクトによる削減効果の発生・継続期間:2007年中頃から7年間
4)当社の役割:
当社はそのCDMに関するノウハウを活用し、
・国連登録可能な事業としてプロジェクト設計を実施、
・日韓両政府の承認を取得、
・日本メーカー(住鉱エコエンジ(株)及びNEケムキャット(株))よりN2O分解プラントを購入・保有し、HanwhaのN2O分解事業実施に協力、
・国連CDM理事会へ登録を申請
・プラント運転開始後に削減量を公正に計測するためのモニタリングプランを策定、
・実際のモニタリング結果に対し第三者認証機関の審査を受け国連CDM理事会に申請
を行う。
5)韓国への貢献:
N2Oは温暖化効果が二酸化炭素の310倍と大きく、故に本プロジェクトが地球環境にもたらす貢献度は大きい。またHanwhaはCERから得られる収益の一部を、環境貢献施策として社会貢献することで韓国政府と合意済み。韓国政府は本年2月に本件を韓国の持続可能な発展に貢献するプロジェクトとして承認済み。
以上