IRジャパン、耐圧200Vのモーター駆動用IC3品種をサンプル出荷
インターナショナル・レクティファイアー
耐圧200Vのモーター駆動用IC3品種のサンプル出荷開始、産業用途向け
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は30日、産業用途向けに、耐圧200Vのモーター駆動用IC「IRS200x」シリーズ3品種のサンプル出荷を開始しました。
IRS200xシリーズには、ハイサイド駆動回路とローサイド駆動回路を独立に制御できるIRS2001と、ハーフブリッジ(*1)構成の2品種(IRS2003/IRS2004)があります。3相のインバータ構成やハーフブリッジ構成の低電圧(24V、36V、48V)モーターや中電圧(60V、80V、100V)モーターの駆動に適しています。UVLO(低電圧ロックアウト)保護機能は全品種に搭載され、IRS2003とIRS2004はデッドタイム(*2)保護機能も備えています。さらに、IRS2004には入力の遮断機能もあります。
IRS200xシリーズは、大きくて高価なディスクリート部品であるオプトカプラや変圧器を使った補助電源をハイサイド駆動回路用に用意する必要がなく、低コストなブートストラップ回路で実現できるので、待機電流も少なくて済みます。実装面積を小さくしたい低電圧の用途には効果的です。すでに製品化している600Vのシリーズ、1200Vのシリーズと合わせて、さまざまな用途に合わせた高耐圧駆動ICがそろいました。この高耐圧駆動ICとIR社のDirectFET(R)パッケージに収めたパワーMOSFETを組み合わせれば、小型で高効率なモーター駆動回路を構成できます。
IRS200xシリーズのデバイスは、8ピンのSOPまたはDIPパッケージに収めました。出力のゲート駆動電圧は最大20V。オンするときの出力電流(吐き出し電流)は290mA、オフするときの出力電流(吸い込み電流)は600mA(いずれも標準値)です、入力論理レベルは3.3V、5V、15Vに対応します。
このシリーズは、高電圧のレベルシフト機能に加え、電気的ストレスの保護と高い信頼性を提供する絶縁技術を採用したIR社の最新高耐圧IC技術を使って製造されています。サンプル価格は、いずれも160円(いずれも税込み)の予定です。欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ( www.irf-japan.com )から入手できます。
表 耐圧200Vのモーター駆動用IC 3品種の概要
* 関連資料 参照
<用語説明>
*1) ハーフブリッジ:直流を交流に変換するインバータ回路を構成するときの1つの回路方式です。2つのゲート駆動回路と2つのスイッチング素子(ここではハイサイドMOSFETとローサイドMOSFET)で構成します。出力回路を2つのMOSFETで構成した場合、上側のMOSFET(電流を供給する役割)をハイサイドMOSFET、下側のMOSFET(電流を吸い込む役割)をローサイドMOSFETと呼びます。
*2) デッドタイム:ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETを同時にオフする期間のことです。ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETが同時にオンすると貫通(シュートスルー)電流が流れて、パワーMOSFETが破損してしまう可能性があるため、これを防止するために同時にオフする期間を作ります。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。IR社のホームページは www.irf.com 。
注:IR(R)、DirectFET(R)はInternational Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。