電力中央研究所、ナノサイズ空隙間で気体・液体・固体の状態変化の基本理論を解明
ナノサイズの空隙間の
気体・液体・固体の状態変化の基本理論を解明
~今後のナノサイズの部品・装置開発に役立つ成果~
財団法人電力中央研究所(理事長:(正式表記は関連資料を参照)、東京都千代田区大手町)は、京都大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 宮原 稔 教授と共同で、物質におけるナノメートルサイズの空隙において、物質の沸点(液体から気体)や融点(固体から液体)や昇華点(固体から気体)が、通常知られている温度と著しく異なることを発見した上で、この現象を熱力学で説明することに成功しました。
本成果は、将来ナノテクノロジーが進歩し、ナノメートルサイズの部品を用いる際に、部品同士の間に生じる空隙で、部品を取り巻く周辺の物質が、通常とは異なる沸点・融点・昇華点で相転移し、ナノメートルサイズの部品への機能障害を防ぐのに役立つものです。さらに今後、単原子分子より複雑な分子について、同様の熱力学方程式を導き出す際に、本成果が基礎理論になります。
また、ナノメートルサイズの空隙の沸点・融点・昇華点は、通常の状態とは著しく異なることから、この特異性を利用した新たなナノメートルサイズの装置の開発などにブレイクスルーをもたらす可能性があります。
この成果は、物理化学の世界トップクラスの雑誌 The Journal of Chemical Physice (AIP)に2月7日付で掲載され、更に、本論文は、米国の二つの物理学会である American Physical Society (APS) と、American Institute of Physics (AIP) が共同運営している Virtual Journal of Nanoscale Science & Technology に選出されました。
詳細につきましては、 添付資料 をご参照下さい。