日本TI、デジタル・パワー用高速2MHz動作のMOSFETドライバを発売
日本TI、デジタル・パワー用高速2MHz動作のMOSFETドライバ
「UCD7K」ファミリの新製品を発表
~デジタル制御で過電流検出回路やレギュレータなどを内蔵した2次側での使用も可能な同期整流方式MOSFETドライバ~
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、市場が注目するデジタル・パワーに向けたTIのデジタル・パワー制御用MOSFETドライバ「UCD7K」ファミリの新製品である『UCD7230』を発表しました。『UCD7230』は多種多様な機能を内蔵し、アナログ制御方式では実現できなかったシステムを構成することができます。『UCD7230』は2MHzの高速動作で4Aの駆動能力を持つデュアルMOSFETドライバを内蔵し、同期整流方式の降圧コンバータとして利用されます。また『UCD7230』は、業界で初めて1次側、2次側のどちらにおいても使用できる製品です。
本件に関する詳細は http://www.ti.com/digitalpower (英文)から参照できます。
『UCD7230』はデジタル制御を基本動作とし、デュアル過電流検出機能、高精度な基準電圧、UVLO回路、遅延回路などを内蔵しています。従来では電流や電圧の情報の制御はメインの一次側の制御用ICで行うのが一般的ですが、『UCD7230』はメインの制御用ICに依存せず、『UCD7230』が独自に過電流や異常状態を判断して処理する機能を内蔵しており、メインの制御用ICの負担を軽減することができます。また、異常信号の検出から出力までの伝播遅延時間は、わずか10ナノ秒と非常に高速で制御することができるため、制御システムの遅延時間を大幅に短縮でき、非常に安定したシステムを構築できます。また多出力電源での利用では、補助的な電源システムにおいて、最小限の部品コストの追加で応用することができます。
『UCD7230』は、電源の効率を向上させる方法として最近になり注目されているセカンダリ・レギュレータ制御方式のICで、従来の一般的な方式であるオフライン制御を1次側での制御だけに依存させる方法ではなく、2次側を含めて総合的により高効率でかつ低価格なシステムを構築するアプリケーションに最適な製品です。
従来では、電源の特性を支配している1次側の制御用ICの性能だけに依存し、1次側の制御がほぼ電源のセットの特性を決定していましたが、『UCD7230』を使うことにより、1次側だけに依存せず、総合的にシステム効率を向上させ、かつシステム価格を抑えることができます。
また、既存の通常のDC-DCコンバータの2次側での利用は、オフライン電源システムとDC-DCコンバータ・システムは切り離されて設計され、かつ各々のシステム自体が、それぞれ独立した動作周波数で動作するために、オフライン電源の動作周波数とDC-DCコンバータの動作周波数の干渉によりクロスオーバー・ノイズ、ビートノイズなどの影響が懸念され、多くのノイズフィルタによる対策が必要でしたが、『UCD7230』を用いることで、オフライン電源の動作周波数を利用して、2次側でDC-DCコンバータの電源を同期して動作させるために、これらの問題を大幅に改善することができます。
また既存の方式では2次側のDC-DCコンバータは、AC-DCシステムのレギュレーションされた電圧を利用するために、オフライン電源のLCフィルタ、ダイオードを通過した電力をDC-DCコンバータの電源として利用しますが、『UCD7230』は、直接セカンダリー巻き線の電圧を利用できるため、位相問題が軽減され、過渡特性の改善やより高い効率のセットを構築することが可能となります。
■ 『UCD7230』の主な特長
・ 高機能デジタル制御MOSFETドライバ
・ 高機能
高速:2MHz動作
ハイサイド・ローサイド高電流:4A
各信号モニター機能
過熱保護回路内蔵
過電流検出機能内蔵
低電圧検出回路内蔵
高効率のための設定可能な遅延回路内蔵
各層の電流バランス機能
イネーブル機能
低オフセット差動アンプを内蔵
3.3V、10mAレギュレータ内蔵
■ 価格と供給について
『UCD7230』は現在、サンプル出荷中で日本TIの販売特約店より供給されます。パッケージは20ピンHTSSOPパッケージ、または20ピンQFNパッケージです。1000個受注時の単価の参考価格は0.8ドルで、量産出荷は2006年の第4四半期の予定です。
TIのパワー・マネジメント製品に関する情報は、日本語インターネットでも発信しています。( http://power.tij.co.jp )
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テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
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