忍者ブログ

ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

ニュースサイトなど宛てに広く配信された、ニュースリリース(プレスリリース)、 開示情報、IPO企業情報の備忘録。 大手サイトが順次削除するリリースバックナンバーも、蓄積・無料公開していきます。 ※リリース文中の固有名詞は、発表社等の商標、登録商標です。 ※リリース文はニュースサイト等マスコミ向けに広く公開されたものですが、著作権は発表社に帰属しています。

2024'11.26.Tue
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007'04.24.Tue

ライオン、「殺菌だけでは消せない体臭がある」ことを解明など研究成果を発表

「殺菌だけでは消せない体臭※がある」ことを解明!
~体臭を発生させていたのは、菌が産生する酵素~
天然植物成分「ローズマリーエキス」「オトギリソウエキス」が、
殺菌だけでは消せない体臭を抑制することを発見


 ライオン株式会社(社長・藤重貞慶)生物科学研究所は、この度、県立広島大学生命環境学部との共同研究で、殺菌剤によって菌を死滅させても菌が産生する酵素がその活性を維持して働き、体臭を発生させることを科学的に検証しました。さらに、天然植物成分「ローズマリーエキス」および「オトギリソウエキス」に、殺菌だけでは消臭・防臭できない体臭の発生を抑制する効果があることを見出しました。
 なお、本研究に関連する内容は「第59回SCCJ研究討論会(2006年11月22日、東京商工会議所ホール)」において発表予定です。

※「体臭」:体臭には、皮脂や汗、垢が皮膚常在菌によって分解されて生じる"分解臭"や皮脂が汗中の鉄イオンによって酸化されて生じる"酸化臭"などの種類がありますが、本研究における「殺菌だけでは消せない体臭」とは皮膚常在菌が関与する"分解臭"を指します。


1.研究の背景

 昨今、生活者の制汗デオドラント剤に対する重視点は、「汗を抑える」から「ニオイを抑える」へと変化してきています。体臭(分解臭)は皮脂や汗、垢が皮膚常在菌によって分解されて発生するため、制汗デオドラント剤の消臭・防臭は、主として殺菌により行われています。しかし、制汗デオドラント剤使用者の不満点として、「消臭・防臭効果」が1位にあげられているのが現状です(当社調べ)。また、当社が体臭に係る研究を進める中で「殺菌してもニオイが発生している」と考えられるケースがみられました。
 そこで、当社生物科学研究所では、「殺菌だけでは消せない体臭がある」ことを解明するとともに、「殺菌だけでは消せない体臭を抑制する技術研究」を行いました。


2.研究概要

1)殺菌して菌を死滅させても、発生する体臭がある
 体臭は皮膚常在菌が皮脂や汗、垢を分解した際に発生します。そこで、代表的な皮脂成分であるトリグリセリドのうちニオイ物質の一種であるカプロン酸を含むトリグリセリドをモデル皮脂として用いたモデル実験において、殺菌しない場合とした場合それぞれのニオイ物質(カプロン酸)発生量を調べました。その結果、殺菌剤で菌を死滅させても、ニオイ物質であるカプロン酸の発生は5割程度しか抑制できないことが明らかになり、殺菌しても体臭が発生することが検証されました(図1)

2)天然植物成分「ローズマリーエキス」「オトギリソウエキス」が、殺菌しても発生する体臭を抑制する
 上記と同様のトリグリセリドをモデル皮脂として用い、当社植物ライブラリー約1000種類の中からスクリーニングした生理活性作用のある152種類の植物成分について、ニオイ物質発生抑制効果を調べた結果、「ローズマリーエキス」に高い効果があることがわかりました。さらに、殺菌で抑えられるニオイ物質量は5割程度であるのに対し、殺菌処理後に「ローズマリーエキス」を加えるとニオイ物質発生量は8割以上抑制されることを確認しました(図2)。
 また、垢に含まれるアミノ酸(ロイシン)が菌によって分解され体臭の代表的なニオイ物質であるイソ吉草酸を発生させることから、このアミノ酸(ロイシン)を用いたモデル系で、同様に152種類の植物成分について、ニオイ物質発生抑制効果を調べました。その結果、「オトギリソウエキス」と殺菌剤とを組み合わせることでニオイ物質の発生を相乗的に抑制することが確認されました。

3)体臭を発生させていたのは、菌そのものではなく、菌が産生する"酵素"
 殺菌で原因菌を死滅させても体臭が発生するメカニズムを解明するための検討を行いました。一般的に生体における物質の分解には、食物の消化分解のように酵素が関与していることが多いことから、本研究においても菌が産生する"酵素"に注目して検討を行いました。その結果、脂質分解酵素(リパーゼ)の活性阻害(働きを弱めること)を調べたところ、活性阻害率は殺菌剤では17%であるのに対し、「ローズマリーエキス」は73%を示しました。以上のことから、「ローズマリーエキス」の高い体臭抑制効果は、酵素の働きを阻害したことによるものであると推察されます。
 すなわち、殺菌しても体臭が発生するのは、菌が死滅しても菌が産生した"酵素"はその活性を維持しており、殺菌によって菌は死滅しても活性を維持している"酵素"が皮脂などを分解するためと考えられます。
 また「オトギリソウエキス」は菌を死滅させずに体臭発生抑制効果を示したことから、同様なメカニズムでニオイ物質の発生を抑制しているものと考えられます。

 以上、殺菌処理後の体臭に着目して研究を行った結果、
(1)殺菌剤で菌を死滅させても発生する体臭が存在すること
(2)体臭を発生させていたのは、菌そのものではなく菌が産生する"酵素"であることを検証しました。そして、
(3)天然植物成分「ローズマリーエキス」「オトギリソウエキス」に殺菌だけでは消せない体臭の発生を抑制する効果があることを見出しました。

 当社は今後、「ローズマリーエキス」「オトギリソウエキス」を配合した制汗デオドラント剤の開発を進め、2007年春に発売をする予定です。


 ※図は添付資料を参照


以 上


PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
[20961] [20960] [20959] [20958] [20957] [20956] [20955] [20954] [20953] [20952] [20951
«  BackHOME : Next »
広告
ブログ内検索
カウンター

忍者ブログ[PR]