カネカ、薄膜系太陽電池の変換効率12%の新ハイブリッド太陽電池を開発
世界最高水準(薄膜系太陽電池)の変換効率12%の開発に成功
―新ハイブリッド太陽電池の量産化を進め、本年秋、本格販売を開始―
株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:大西正躬)は、薄膜製造装置の自社開発により薄膜系太陽電池としては世界最高水準となる変換効率12%を有する新ハイブリッド太陽電池の開発に成功した。当社100%出資子会社であるカネカソーラーテック(株)(本社:兵庫県豊岡市。社長:浜口訓路)において、新ハイブリッド太陽電池の量産化を進め、本年秋に本格販売を開始する。
今般開発に成功した当社の新ハイブリッド太陽電池は、従来の2層構造(アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコン)に新規透明中間層を積層する画期的な技術により、変換効率12%を達成した薄膜系太陽電池である。
アモルファスシリコン2層と薄膜多結晶シリコン1層の3層構造では、変換効率は向上するものの、生産効率が落ちるという課題がある。当社は透明中間層を用いる独自の技術で2層構造のままで変換効率を高め、かつ大面積(標準基板サイズ:1200mm×998mm)化にも成功した。
現在、研究段階では910mm×455mmのサイズで変換効率13.5%の開発にも成功しており、数年先をめどに大面積化を実現し、量産化する予定である。
新ハイブリッド太陽電池の主な特徴は、以下の通りである。
・薄膜製造装置の自社開発の成功により、製造設備コストが大幅に削減された。
・自社開発の薄膜製造装置は、多数枚を一括で製膜できることから製造ラインの生産性の大幅な向上が可能である。
・透明中間層により、赤外から可視光領域(赤から紫)までの幅広い波長領域から効率よく光を取り込むことが可能となり、変換効率が向上した。
・シリコンの使用量が結晶系太陽電池の約100分の1であり、格段に省資源である。
・大面積であるため、用途に応じたサイズに加工が可能であり、デザイン面の自由度が高い。
以 上