沖電気、低消費電流0.15μAを実現したリアルタイムクロックICをサンプル出荷
SOI-CMOS技術を活用し世界最少消費電流のリアルタイムクロックICを開発
~従来の1.5倍の電池寿命を実現し、超低消費携帯機器に最適なソリューションを提供~
OKIは、世界で初めて超低消費電流0.15μAを実現したリアルタイムクロックIC「ML9073/ML9074」(以下本IC)を開発しました。本ICは従来の1.5倍の電池寿命を可能にし、長時間動作が必要な携帯機器、AV機器などの用途に最適です。本日よりサンプル出荷を開始します。
現在、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、TV、DVDレコーダなどほとんどの機器は時計機能を付加するためにリアルタイムクロック(以下、RTC)が使用されています。RTCは常に時刻を正確に保持するために、機器の電源がオフの状態でも動作する必要があります。現在のRTCはASICあるいはMPUの中にIPとして組み込まれて利用されることが多く、先端プロセスが使われるASIC、MPUでは消費電流を抑えることが難しくなってきており、ボタン乾電池などの小型バッテリで駆動する携帯機器では、電源オフ時の消費電流削減が課題となっていました。
OKIでは、これらの課題に応えるべく、電波時計用LSIなどで実績あるSOI-CMOS技術(注)を活用した超低消費電流RTC「ML9073/ML9074」を開発しました。本ICを使用することで、従来のRTCに比べ電池寿命を1.5倍延ばすことが可能となり、バッテリの長寿命化、電池またはコンデンサの小型化を実現することができます。
【今後の展開】
OKIでは今後も、お客様の最終製品の小型化に寄与できるよう、SOI-CMOS技術を活用した高性能かつ低消費電流、低電圧の商品ラインアップを充実していきます。
【主な特長・仕様】
・バッテリ機器に最適な低電圧、低消費電流動作
動作電源電圧:1.1~3.6V
計時電源電圧:0.8~3.6V
消費電流(計時時):0.15μA(typ.)@3.0V
・2線シリアルインターフェース(ML9073)、3線式のシリアルインタ-フェース(ML9074)
・リアルタイムクロック
秒、分、時、日、週、月、年レジスタ
うるう年自動補正(2000~2099年対応)
ソフトによる30秒補正
24時間制/12時間制の選択可能
・アラームに用いる周期的な割込み機能(または、周期的な波形出力)
・月、日、時、分、曜日設定のアラームによる割込み機能
・32kHzクロック出力端子
・時刻誤差補正機能
・水晶発振停止検出機能
・パワーオンリセット機能
・温度範囲 -40~+85℃
【販売計画】
・サンプル出荷:2007年4月4日から(16ピンQFN)
・サンプル価格:200円(税別)
・量産出荷:2007年8月
・量産規模:30万個/月
【用語解説】
(注):SOI-CMOS技術は、絶縁膜上にCMOSを形成する技術で、従来のシリコン基板の代わりに絶縁膜の埋め込まれたSOI基板を利用するもの。低電圧動作を可能とし、またリーク電流の温度依存も小さく、低電圧動作、低消費電流、低リークに最適である。
※沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、通称を「OKI」とします。
※本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
< 本件に関するお客様からのお問い合わせ先 >
シリコンソリューションカンパニー 販売本部 営業企画部第二チーム
電話:03-5445-6027 e-mail:semi-salesjp@oki.com