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2007'05.14.Mon

米IBM、データセンターにおけるエネルギー危機に対する取り組みを発表

IBMがデータセンターにおけるエネルギー危機に対する取り組みを発表
IBM、新技術活用で電力消費を抑制
50億キロワット時の増加を回避し自社データセンターの処理能力の倍増に成功


[米国ニューヨーク州ニューヨーク 2007年5月10日(現地時間)発]

 IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は10日(現地時間)、ITにおけるエネルギー効率の劇的なレベル向上を目指し、全社で年間10億ドルを投入していくと発表しました。この取り組みが計画しているのは、データセンターのエネルギー消費を大幅に削減するとともに、世界中で企業および公共のテクノロジー・インフラを稼働させているIBMとそのお客様が環境に与える影響を緩和するための新製品およびサービスです。

 この「Project Big Green」と名づけられたIBMの取り組みは、エネルギー需要とそのコストが急激に上昇しているデータセンターにおいて、エネルギー危機に対処することをねらいとしています。この取り組みでは、省エネを実現する新しいテクノロジーおよびサービスが提供され、IBM全社から選ばれた850名以上のエネルギー効率の専門家で新たに組織されたグローバルな「Green Team」が導入を担当します。
 省エネ効果はかなりの規模に上り、たとえば平均的なデータセンター(約2,320平方メートル)の場合、お客様は42%の省エネを実現することができます。この削減効果は炭素(炭酸ガス)排出量に換算すると、年間で7,439(27,276)トンに相当します。

 企業がITによるイノベーションにますます依存するようになっている状況から、データセンターにおけるエネルギー効率は急速に重要な問題となってきました。調査会社IDCによると、現在、コンピューターのハードウェア価格1ドル当たりにかかるエネルギー・コストはおよそ50セントで、これが今後4年間に54%も上昇すると予測されています。[1]

 IBMグローバル・テクノロジー・サービスのシニア・バイス・プレジデント、マイク・ダニエルズは次のように語っています。「データセンターにおけるエネルギー危機により、当社のお客様は十分な電力の確保が困難になっており、それがお客様のビジネス成長を阻害しています。多くのデータセンターは処理能力の限界に達しており、企業の成長力が頭打ちとなり、さらなる設備投資を余儀なくされています。IBMは自社のデータセンターを最新化するためのアクション・プランを、お客様の設備にも応用することができます。」 

 IBMが運用するデータセンターは現在、6大陸にわたり延べ床面積約72万平方メートル以上の規模を有し、世界最大の業務用テクノロジー・インフラとなっています。
 IBMは新しいアプローチを採用することで、消費電力や炭酸ガス排出量を増加させることなく、同社のデータセンターの演算能力を今後3年間で倍増できると見込んでいます。炭酸ガス排出量は、温室効果ガスの生成に基づき、人間の活動およびそれが環境におよぼす影響に由来する二酸化炭素の量で算定されます。データセンターの新規増床で規模を2倍にした場合と比較すると、今回の取り組みは年間に50億キロワット時以上の省エネ効果があると予想されます。


IBM、「Project Big Green」の詳細を発表

 IBMはお客様のエネルギー効率の劇的な向上を目指す5段階のアプローチ(下記)を策定するにあたり、自社の専門知識と革新的なEnergy-smart technology(高エネルギー効率テクノロジー)を活用しました。

1.診断:既存施設の評価-エネルギー効率アセスメント、三次元熱解析、三次元モデル化
2.建設:エネルギー効率に優れたデータセンターの設計、建設、あるいは改修
3.仮想化:ITインフラの仮想化および特殊用途プロセッサー
4.管理:電力管理ソフトウェアによるコントロール
5.冷却:液体冷却ソリューションの活用-データセンターの内外に適用

 IBMシステムズ・アンド・テクロジー・グループのシニア・バイス・プレジデント、ビル・ザイトラーは次のように語っています。「お客様は従来の方針を変更して、データセンターにおけるエネルギー効率の大幅な向上を推進したいと望んでおられます。これは既成のやり方に上乗せする改善活動では実現できません。当社は今までに培ってきた知識とテクノロジーをいっそう積極的に応用し、本日から全く新しい方法でそれに取り組みます。」


1. 診断:既存施設の評価-エネルギー効率アセスメント、三次元熱解析、三次元モデル化

 お客様にとって、データセンターのエネルギー効率のデータを把握し、改善の余地がどこにあるかを特定するのは困難です。データセンターには温度の高い領域に「ホットスポット(熱だまり)」が発生していますが、これはサーバー・ラックの配置の問題、フロア・プラン上の問題、そして好ましくない熱気と冷気の混合によって生じるものです。

・ IBMはお客様のデータセンターのエネルギー効率を評価し、エネルギー経費を最大で40%削減します。「IBM Data Center Energy Efficiency Assessment(IBMデータセンター・エネルギー効率アセスメント)」と名づけられたこのサービスは、新しい測定基準を用いてデータセンターのエネルギー効率を評価し、お客様に効率アップのための計画を提示します。

・ IBM基礎研究所が開発した新テクノロジー「MMT」(Mobile Measurement Technology:モバイル測定テクノロジー)はデータセンター内の温度分布を3次元で測定します。このソリューションは位置追跡システムとセンサーの大規模ネットワークを備えたハイテクのカートで、温度データをかつてない速度と精度で収集します。パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社(Pacific Gas & Electric)がカリフォルニアに所有する3カ所のデータセンターにこのMMTを導入したところ、約3,600平方メートルのデータセンター全体のホットスポット(熱だまり)、空気漏れ、その他の非効率要素を数日間で正確に視覚化できました。この調査は、手作業で行った場合は数週間かかるものです。

・ 「IBM Thermal Analysis for High Density Computing(高密度コンピューティング用のIBMサーマル・シミュレーション・サービス)」は、データセンターの稼働停止を引き起こす恐れのある、温度関連の既存および潜在的な問題を特定します。また、省エネおよび将来の拡張に向けた選択肢を提供します。

・ IBMは本日、エネルギー効率に優れたデータセンターの3次元モデル化を探求するためのバーチャル空間の利用法を、仮想3次元空間Second Life (R) ( http://www.secondlife.com )で公開しました。このパイロット・プロジェクトでは、先進的な仮想化テクノロジーを利用してデータセンターを丸ごとSecond Life上に再構築することにより、巨大データセンターの管理簡素化によるエネルギーの有効利用をはかることを目標としています。


2. 建設:エネルギー効率に優れたデータセンターの設計、建設、あるいは改修

 上記の「Data Center Energy Efficiency Assessment(データセンター・エネルギー効率アセスメント)」を補完するものとして、世界中のお客様向けに、延べ床面積約270万平方メートル(ニューヨークのセントラルパークの面積とほぼ同じ)のデータセンターを建設してきたIBMの経験をもとに、本日下記のエネルギー効率化サービス・プロダクトを発表しました。

・ 「Energy Efficiency Self Assessment(エネルギー効率自己アセスメント)」をオンラインで利用することで、お客様はデータセンターのエネルギー効率の状況把握を無料で実施することができます。

・ 「IBM Scalable Modular Data Center」は、構成済みの約45または約90平方メートルのデータセンター・ソリューションで、お客様要件により最短で8週間から導入完了が可能なエネルギー効率の高いテクノロジーを盛り込んでいる上、従来のデータセンターと比較して建設費用を最大15%削減します。

・ 「IBM Optimized Airflow Assessment for Cabling(ケーブル敷設のためのIBM気流最適化アセスメント)」はデータセンターの床下を流れる空気の循環を改善するとともに、ケーブル敷設のコストを削減します。

・ 「Specialized Facilities(特殊施設サービス)」はグリーン・ビルディング(地球環境建築)を設計・建設をご支援します。お客様がビルのサブシステム全体を統合し、安全で効率的かつ環境にやさしいビル運用を行えるよう支援することで大幅な省エネを実現します。

 その他のIBMパートナー企業対応のサービス・オファリングは、世界中の電力および冷却テクノロジー・プロバイダー各社(Anixter, Inc.、APC-MGE、Eaton、Emerson Network Power / Liebert、GE Consumer & Industrial、Schneider Electricなど)から提供されます。


3. 仮想化:ITインフラの仮想化および特殊用途プロセッサー

 お客様は、エネルギー消費を削減するために、仮想化されたインフラや特殊用途プロセッサーを使用した先進的なハイブリッド型システムへの移行が求められています。

・ IBMは業界で最も包括的な仮想化テクノロジー(メインフレーム、UNIX (R) 、x86、およびストレージ・システムを含む)の提供で業界トップを走っています。
 このテクノロジーはお客様が業務を少数のコンピューターに集約することを可能にするため、稼働率が上昇し、エネルギーおよびメンテナンスの経費が大幅に削減されると同時にインフラも簡素化されます。仮想化を通してコンピューター・システムの稼働率向上をはかることにより、お客様は大幅な省エネを実現できます。現在、多くのコンピューター・システムは、その処理能力のわずか5%から10%ほどを使用しているにすぎません。世界で最も高機能な仮想化テクノロジーを備えたIBMのメインフレームでは、お客様はすでに100%近いサーバー稼働率を実現しています。

・ ITインフラ統合に適した薄型でプラグイン・タイプのブレード・サーバー「BladeCenter (R) 」は、インフラの物理的統合を行うだけでなく、そのスイッチ・テクノロジーの設計が消費電力の削減に寄与しています。IBM社内の調査によると、イーサネットおよびファイバー・チャネルのスイッチを搭載した標準的なBladeCenterは、ラック型サーバーを使用する場合と比較して1ポート当たり最大50%の電力消費量削減が可能です。

・ BladeCenterにおける仮想化やBladeCenterを構成する種々の技術が多数の物理的システムの統合を実現するのに加え、特殊用途向けプロセッサーもシステムの設置面積を劇的に削減します。「WebSphere (R)  DataPower (R)  SOA Appliances(WebSphere DataPower SOAアプライアンス)はXMLおよびWebサービスのセキュリティー処理において、通常のサーバーを用いたシステム単体で行った場合の72倍もの性能を発揮しています。たとえばXMLアプリケーションを導入しWebサービスの保護を行いたいと考えるお客様の場合、パフォーマンスの向上とアプリケーション待ち時間の削減を行えると同時に、システムの設置面積と消費電力が削減されるところから、同様の業務を行うためのハードウェア資源の追加が不要となります。

・ 分析およびデジタル・メディアに関しては、Cell Broadband Engine TM (Cell/B.E.)が、従来型プロセッサーに比べ極めて高いパフォーマンスを提供します。IBMのお客様であるメイヨー・クリニック(米国)ではBladeCenterの一部にCell/B.E.を採用しており、放射線科医が使用する3次元の医療用画像処理を、従来型のプロセッサー構成に比べて最大50倍もスピードアップしました。


4. 管理:電力管理ソフトウェアによるコントロール

 プロビジョニング・ソフトウェアは、サーバーが稼働する必要がない時に待機状態に切り替えることにより、サーバーの消費電力の80%を自動的に削減することができます。このソフトウェアが全米のデータセンターに導入されたと仮定すると、米国全体で年間に54億キロワット時のエネルギーが節約できます。これは一冬に37万世帯の暖房をまかなう電力に相当します。

・ IBMは管理ソフトウェアのTivoli (R) による新しいソフトウェアの追加により、エネルギー効率化テクノロジー「Cool Blue TM  ポートフォリオ」の強化をはかっています。新しいソフトウェアは消費電力の監視、ユーザーによる電力ポリシーの設定、エネルギー利用率の追跡を行うとともに、データセンターの電力使用料金を部門ごとに正確に算定するものです。その結果、各部門の責任が明確になると同時に、現行のエネルギー使用の監視による省エネの余地の発見と、サーバーのプロビジョニングおよびプロビジョニング解除による電力消費最小化がもたらす省エネ効果によって、効率化の道が開けます。米国カリフォルニア州では、IBMがお客様にプロビジョニング技術に関する情報を無料提供することになりました。これによりエネルギー消費を削減でき、同州の深刻なエネルギー危機への対応に苦慮している企業の助けとなります。

・ IBM Systems Directorポートフォリオの一員であるソフトウェア
 PowerExecutive TM が、すべてのIBMシステムおよびストレージで使用可能になります。当初はIBM (R)  BladeCenterおよびSystem x TM 用に設計されたこのエネルギー管理テクノロジーを、2007年11月よりIBM System i TM、System p TM、System z TM およびSystem Storage TM に展開します。当製品は実際の使用電力の値をお客様にお知らせするとともに、データセンター内の電力および温度の上限を、システム、筺体、ラックの各レベルで効率的に割り当て、整合させ、制限する唯一のエネルギー管理ソフトウェア・ツールです。IBMシステムの消費電力の上限値を設定できるパワー・キャッピングの機能により、エネルギー消費の面で安心してデータセンターを運用することができるようになります。


5. 冷却:液体冷却ソリューションの活用-データセンターの内外に適用

 調査会社IDCの推定によると、ITシステムの動力および冷却に使われたエネルギー費用は2006年に290億ドルとなっています。[1]

・ IBMは特許取得済みソリューション「Stored Cooling」を発表します。これはデータセンターで最も多くの電力を消費しているエンド・ツー・エンドの冷却システムの効率を劇的に向上させるソリューションです。「IBM Data Center Stored Cooling Solution」サービス・プロダクトは、ケベック(カナダ)のIBMデータセンターで試験的に導入され、すでに45%の省エネ効果を発揮しており、ASHRAE(American Society of Heating, Refrigeration, and Air Conditioning Engineers:米国暖房冷凍空調技術者協会)から「最優秀エネルギー新製品」に指定されています。

・ 特許取得済みの「Rear Door Heat eXchanger(水冷式ヒート・エクスチェンジャー)」とそれを利用した水冷式熱交換機付き後部ドアが、ほとんどのIBM Systemオファリングで利用可能になりました。これは冷却ファンの追加や多大な電力増強が不要で、コンピューター・システムから発生した熱を冷却水で吸収することにより、データセンター内へのサーバーの熱排出を最大60%削減します。またIBMは、同社基礎研究所が開発した新たな液体冷却テクノロジーを今年後半に発表する予定です。


 IBMは間もなく、どなたでもご参加いただけるWeb対応の、エネルギー効率奨励のためのクリアリングハウスを立ち上げます。「Energy Efficiency Incentive Finder(エネルギー効率インセンティブ・ファインダー)」は、エネルギー効率の奨励に関する詳細情報と、各地域の公益企業、政府、その他世界中の機関で利用可能なプログラムの情報を提供する拠点Webサイトです。

 本日発表したすべての製品とサービスは、IBMのグローバル・ファイナンシング部門が提供する、より簡単にデータセンターをエネルギー効率に優れたテクノロジーでアップグレードするためのファイナンス・オファリング・パッケージの対象となります。


 当報道資料は2007年5月10日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。
 本日の発表内容の原文、IBMおよび業界リーダー各社のインタビュー映像および音声は下記URLをご参照下さい。
 http://www.ibm.com/press/us/en/presskit/21440.wss


[1] 出典:IDC「Worldwide Server Power and Cooling Expense 2006-2010 Forecast」、Doc #203598、 2006年9月

 IBM、BladeCenter、Cell Broadband Engine、Cool Blue、DataPower、PowerExecutive、Second Life、System i、System p、System x、System z、Tivoliは、IBM Corporationの商標。
 UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。

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